戯言ニュース

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唯「ゾロアスター教徒になるよ!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:45:59.30 ID:FLBkLIGF0
>>1です。
つづきます。



唯「ゾロアスター教徒になるよ!」 そのいち そのに
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ブログパーツ 唯「ゾロアスター教徒になるよ!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:55:46.98 ID:FLBkLIGF0
紬は、重力に逆らって全身の鳥肌が立ち上がるのを感じた。
いったいこれはなんなのだろうか??

律「これって…え、なんだよ…なんなんだ…よ…」

和「これは、もしかしなくても…」

和は、そう言った。皆既日食の日以来続いていた仏像の盗難事件。
そして、紬のご先祖の墓の近くに多数の仏像と猿石。

澪「いったいだれが…」

澪の頭をある直感がよぎる。
ミスラの言っていた…



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 22:23:24.93 ID:FLBkLIGF0
唯は少し近づいて、仏像と石造を眺めた。
仏像は、観音菩薩、弁天、日天、火天…
石造はすべて、『ヤザダ』を象ったものであった。

唯の頭を疑問が駆け巡る。

唯(ダエーワの主が?でも、仏像も石造もみなヤザダだ。)

観音菩薩と弁天はアナーヒターと、
日天はフヴァレ・クシャエータと、火天はアータルと同源である。




14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 22:39:23.67 ID:FLBkLIGF0
唯(どういうこと?)

唯の背後で、ギータの内に住まうタローマティは、はじめて『眼』を閉じていた。
そして、その『眼』を開こうとしなかった。
タローマティが何を思っているのかは分からない。

紬「え、ど、どうすれば…」

珍しく取り乱す紬。

和「とりあえず、まずは警察よ。」

そのときである。

斎藤の携帯電話のバイブレーターが鳴る。
電話に応答する斎藤。




15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 22:42:11.82 ID:FLBkLIGF0
斎藤の通話の様子により、相手は紬の父親と思われ、
しかも、何やら込み入った事情があるよう。。
一分ほど会話をし、電話を切る斎藤。

紬に伝えるべきか少し思案した後、
紬の傍に寄り、耳打ちをする。

斎藤(お嬢様、だんな様からお電話が…。○○市の琴吹博物館が
   盗品流通に加担した容疑で家宅捜査を受けていると…)

紬は、一昨日に訪れた博物館を思い出す。

斎藤(同博物館の倉庫の中で、十数体の仏像が発見されました…)




19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 23:19:47.70 ID:FLBkLIGF0
渋る斎藤を急かさせ博物館まで急行させる。
皆を別荘に送る時間すら惜しかった。
唯達を乗せたリムジンは法定速度ギリギリで目的地へと進む。

博物館の前に着くと、紬と斎藤を先頭にして、
正門前で立番中の警察官に事情を話し、内部に通してもらう。

倉庫の中では、実況見分が以前進行中であり、
館長や所属学芸員の姿があった。そのすぐ傍で立ち会っていた。

紬「館長さん!」

館長「お嬢さん…」

捜査官「こちらは?」

訝しげに、指揮をとっている捜査官が問う。
館長は紬の素性を捜査官に説明する。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 23:29:24.72 ID:FLBkLIGF0
捜査官「会長のご令嬢とはいえ、現在この博物館はもとより、
    それ以上広く嫌疑をかけざろうえない状況です。
    捜査の障害にならないようお願いします。」

丁寧な口調だが、少々の威圧感をもって紬に注意を促す。
紬たちは少し離れた場所から、捜査の進捗を見守ることにした。
倉庫の広さは、バスケットボールコート一つ、30m×15mぐらい。

縦長の部屋に垂直な形で、棚が何列か並んでいる。
仏像は、その一角、倉庫の入り口から右側に向かってやや奥に、
ギチギチと詰められるような形でおかれている。やはり半円に近い形に。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 23:38:22.40 ID:FLBkLIGF0
紬は半円に佇む仏像の中心に目を移す。
そこの部分の棚は、金属製で二段にわかれている。

下の部分には、みかん箱くらいの箱、
白色で仏具等を梱包するときに使うようなものが二つおかれている。

上の段にはやはり、下の段にあった箱と同種のものが一つ、
そして、もう一つ、煎餅箱ぐらいの大きさの箱がある。

紬はすぐに、その箱の中にに入っているものを思い出した。
あの、奇妙な形の『錠』、『大王の祠堂』の錠だ。




24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 23:46:55.82 ID:FLBkLIGF0
紬は呟く。

紬「大王の…祠堂の…」

それは澪の耳に届く。

澪「!!」

澪は思い出す。

澪(ミスラがおっしゃった…大王の祠堂…)

澪(大王の祠堂を継ぐもの…アナーヒターの守護を受ける娘…)

澪(ムギが!?)

澪(でも、あれは白昼夢…じゃなくて幻じゃ…)

澪の頭は混乱し始める。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 00:06:40.44 ID:c6HPofFl0
斎藤「お嬢様、ここにいらしましても…」

紬「ごめんなさい、もう少し…」

紬の眼差しは、仏像が描く半円の中心を見つめて動かない。

捜査の邪魔になるだろうからと、さわ子が促して、
唯たちは博物館のロビーに引っ込む。

紬は斎藤も下がらせ、倉庫の片隅で実況見分を見守る。
そして、何かを決意したような表情をみせる紬。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 00:23:21.07 ID:c6HPofFl0
そして紬が倉庫に入ってから三十分が過ぎたとき、
捜査員たちが仏像の押収をはじめた。

最後の一体が運び出されるまでに、さらに二十分、
館長は、捜査指揮者の後に続いて倉庫の入り口近くまで進み、
『大王の祠堂』の錠がある棚は死角になる。

紬は、棚に近寄り、錠の入った箱の蓋を音を立てぬように開け、
和紙を静かに剥ぎ、布に包まれた錠を手に取る。
そして、それを後ろ手に持ちかえる。

胸の中で呟く紬。

(館長さん、お父さん、斎藤、ごめんなさい…)




30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 00:38:52.53 ID:c6HPofFl0
錠の入っていた箱がもとのまま、元の場所に置かれていることを
もう一度確認する紬。

そして、布に包まれた錠を後ろ手に持ったまま、ゆっくりと入り口に近づき、
捜査員たちや、彼らと話し込んでいる館長をやり過ごす。

紬は、唯達のところに戻ると、トイレに行く胸を伝えて、
そのまま館外に出、携帯電話でタクシーを呼び出す。

紬の表情は一層、思いつめたものになる。



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 00:48:54.98 ID:c6HPofFl0
五分ほどでタクシーが到着する。

運転手「えっと、琴吹さん?」

紬「はい!行き先は…」

紬「…にお願いします。なるべく至急!」

紬は、運転手に明日香村の別荘の住所を伝えた。


そして、紬がタクシーで去ってから二十分後。

唯「ムギちゃんおそいね…」

律「ゆい、ほっといてやれよ…」

疲れた表情で返す律。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 00:56:39.54 ID:c6HPofFl0
澪は一段と疑念を深め、紬の所在を確認するために女子トイレに行く。
当然、紬の姿はない。

澪(ムギ…どこに…)

そのとき澪の頭の中で、仏像の出現した場所二箇所と
大王の祠堂とその継承者と、という概念が結びつく。

澪「ムギの…ご先祖の古墳!!」

澪は唯たちのもとに駆け戻ると、斎藤を急かして言う。

澪「斎藤さん!今すぐ明日香村に戻ってください!
  ムギが…!!」




36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 01:10:29.32 ID:c6HPofFl0
明日香村に向かうリムジンの中。

律「澪!どうしたんだよ!?」

澪「…」

澪は答えない。

斎藤は、紬が消えたことに強く責任を感じ、
ハンドルをきつく握り締め、目的地へ急ぐ。
カーブの曲がりにくさがもどかしい。

澪は思案していた。
あせっていることが傍目にもわかる。

澪(ムギが大王の祠堂を継ぐのなら…邪神に愛されてるのは…)

澪は、この、ゾロアスター教にかかわる顛末の大元を思いやる。

澪(唯があの聖典を手に入れてから…)

澪は、唯が発した言葉を思い出す。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 01:26:06.99 ID:c6HPofFl0
澪(唯は…ザラシュストラが間違っているって…)

澪(ザラシュストラは、アフラマズダーの僕…)

澪(ザラシュストラが間違っているのなら、正しいのは…)

澪は思い至る。

澪(唯が…アーリマンに愛されている!?)

澪(なんで…でも…聡がおかしくなったことと関係があるって、ミスラが…)

澪(今、唯をムギの前につれていったら…いったい…)

澪(わからない!わからないよっ!!)




40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 01:50:26.57 ID:c6HPofFl0
紬は、別荘に到着すると、管理人を急かして、
大きめのハンマーと斧、懐中電灯を用意させ、
再びタクシーで古墳に向かった。


古墳の横、すり鉢状の奇石の前に立つ紬。
片手にハンマーを持ち、足元に斧を置いている。

紬の周辺には、奇石を取り囲むようにしている仏像と猿石。
紬は瞼をそっと閉じ、そのまま十秒ほど、何かを念じるように眉間に皺を寄る。
そして、目を見開くと同時に、両手で持ったハンマーを奇石に向かって振り下ろした。
奇石はびくともしない。
紬は何度も何度も振り下ろす。
暗いため目視できないが、少しずつ、奇石の亀裂が深くなっていく。




41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 02:07:53.46 ID:c6HPofFl0
最後の一撃のあとの、ズシンっという手ごたえとともに、
奇石はいくつかに破砕される。
懐中電灯を使って、奇石の破片を照らす紬。

破片をぬって、狭く空いている人工的な隙間が見える。
ハンマーで隙間を広げていく。紬の目の前に、ほとんど露わになったとき
その空間のなかには、油紙で包まれた細長い何かがあった。
油紙をも破るかの勢いで、紬は中身を取り出す。

中から現れたのは細長い鍵。
懐中電灯の明かりを反射し、淡い金銅色の輝きを放っている。
鍵には『枝』のような、ごく短い引っ掛かりが、
均等に三箇所にわたって生えている。
大きさは、錠の横長より若干短い。




42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 02:12:34.60 ID:c6HPofFl0
紬は、懐中電灯で照らしながら、
錠の鍵穴に、細長い鍵を進入させる。
鍵が奥にまで届く感触がする。
そのまま錠の中で回転させる。
カチッ、という軽快な金属音とともに、鍵は錠の中で回転した。


その瞬間、錠から、まばゆい…
あまりにもまばゆい光が放たれる…



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 02:22:30.36 ID:c6HPofFl0
眩しさに耐え切れずに、数十秒ほどきつく瞼を閉じたあと、
紬はゆっくりと目を開けた。

目前には、円に翅が生えたような物体が、
全身から光を放って空中に静止していた。
あまりにもまばゆいのために、辛うじて見ることができるぐらいだ。

その物体は、錠に描かれていたものと
ほぼ同じかたちをしているように思われる。

少しの沈黙のあと、物体から、男性とも女性ともつかぬ
低音と高温をあわせた様な、尊厳さを漂わせる声が響いてきた。

『今ここに、祠堂の扉は放たれました。』

紬は、眩しさをこらえながら問う。

紬「あなたは…誰なんですか!?」

まばゆく輝く物体は、こう答えた。

『私はスプンタ・マンユ、アフラマズダーの分け身。
 そして、アフラマズダーの光です。』




73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 11:54:28.96 ID:c6HPofFl0
紬「スプンタ・マンユ…アフラマズダー…」

『アフラマズダーは、良き因を司る、101の御名をもつもの。
 アフラの王、全てを治めるもの。私はその光。』

紬「なんで、なんでこんなことをするんですか!?
  かってに…仏像を動かして…」

『ヤザダの象りは、祠堂を継ぐ者を
 言祝(ことほ)ぎに参ったのです。』

『かつて、スピタマ家の者たちが、
 ザラシュストラの出生を言祝んだように。』

『〈言祝ぐ〉なんと良き言葉でしょう。
 あなたの家の名の由来でもある…』



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 12:10:37.55 ID:c6HPofFl0
『ザラシュストラと同じように、
 はるか昔のアーリアの王および女王のように、
 あなた自身が言祝がれる者なのです。』

紬「おっしゃっている意味が…よくわかりません…」

『あなたも見た筈です、おぞましい色と臭い持つダエーワを。
 あなたの友の一人をその背から唆し、淫らな思いを遂げさせようとした…』

紬「聡君の背中の…黒いボールみたいな…」

『そのとおりです。そしてかのダエーワは、
 アンラ・マンユの僕です。』

紬「アンラマンユ…アーリマン…」

『その名でも呼ばれています。
 そして、あなたの友の一人は、アンラ・マンユを魅了しました。』




75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 12:12:43.42 ID:PL/syD+4O
あれ?
唯が神に魅入られたんじゃないの?逆なの?
神が唯に魅入られたの?



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 12:17:07.27 ID:c6HPofFl0
>>75
唯は物の怪に魅了され、
神は麗しい娘に魅了された。

こんな感じの意味にとってください。



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 12:29:58.60 ID:c6HPofFl0
『アンラ・マンユは、その娘を、その娘のフラワシ(魂)を
 己のものにしようとしています。』

『そしてあなたは、あなたの父母と同じほどに、友を愛する人。』

『そして、アンラ・マンユとその配下は打ち滅ぼされ
 ゲーティーグからメーノーグは解き放たれねばなりません。』

紬「それは唯ちゃんですか!それとも…
  りっちゃん、澪ちゃん…!?誰を…」


『それならば、ほら、その娘が来たようです。』




85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 15:17:07.53 ID:c6HPofFl0
紬の目前には、唯たちの姿。

澪「ムギッ!!」

律「なんだ…あれ…」

唯「すぷんた・まんゆ!」

唯はそう叫ぶ。

『ツムギよ、見なさい。
 臆見の悪霊、タローマティを背負う、あれなる娘です。』

スプンタ・マンユの輝きが一層強くなった。
その瞬間、唯が背負うギータの内から『眼』が飛び出る。




86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 15:23:37.20 ID:mLC6dFc8O
ついに善と悪が対面かっ!!



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 15:30:58.52 ID:c6HPofFl0
タローマティは『眼』から人型の影へと形を変える。
大きさは唯の身長と同じくらい。

ローブをまとい、顔の半分をフードで覆っているように見える。
ギータから生えるように唯の頭上に浮かび、
一言も発せず、ただスプンタ・マンユの方を向いたまま。

『アナーヒターよ、来なさい。』

スプンタ・マンユがそういうと、スプンタ・マンユの日輪の部分から
小さな球状の物体が現れてくる。

小さな物体は、青みがかり透き通った、エメラルドグリーンをしている。
スプンタ・マンユの発する光と、己が発する輝きのために、
まるで強い光を当てられた宝石のよう。



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 15:42:27.40 ID:c6HPofFl0
アナーヒターと呼ばれた球体は、紬の傍らで静止する。
そして、ゆっくりと人のかたちを取り始めた。

球体だったときと同じ、青みがかり透き通ったエメラルドグリーン、
汚濁のまったくない、透明度がきわめて高い湖水のよう。

フードのないローブのようなものを身にまとい、紬と対している。
紬は、その顔かたちを窺うことができた。

紬「わ…たし?」

息を呑む紬。

身に着けているものこそ違うが、顔の作りから眉の太さまで
紬と生き写しであった。




91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 15:44:45.51 ID:53CWoZPe0
眉の太さは顔の作りの一部だろwww



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 15:51:49.77 ID:JJpKQFQ40
大事だから言ったにきまってんだろwwww



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:00:44.39 ID:c6HPofFl0
『アナーヒターは、ペルシア大王家の守護女神でもありました。
 あなたによく似た顔かたちなのも、また当然でしょう。』

アナーヒターは黙ったまま、やさしく紬に微笑みかける。

『あなたは、ダエーワを魅了した、あの娘を救いたいですか?』

紬「…」

紬は、唯と、その背後のタローマティの姿に目を移す。



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:07:24.00 ID:c6HPofFl0
『アナーヒターを受け入れなさい、あなたのうちに。』

『我らとともに、ダエーワどもをタマーヴァンド山のくびきに。』

紬「タマーヴァンド山…?」

『天と地、メーノーグとゲーテーグ、の境。世界の中心。
 アフラマズダーとアンラ・マンユの境です。』

『幾度となく、ヤザダとダエーワの戦いの場となったところ。』

このやりとりを見やりながら、タローマティは思った。
ヤザダどももまた、我らと変わらずに狡猾、と。

しかし、タローマティの口端は少しばかりあがっている。
再びまた、合間見えることができるのだから。
永きに渡って相争ってきた、豊穣と信仰の守護女神、アールマティと。



97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:16:58.84 ID:c6HPofFl0
唯は、紬が視線を自分に向けたことに気づく。

唯「ムギちゃんだめっ!!」

唯は、起ころうとしていることを直感し、紬にそう叫ぶ。

紬は再びアナーヒターに向き直ると、一度、頭を縦に振った。

すると、アナーヒターは微笑んだまま紬にゆっくりと近づいていき、
紬とアナーヒターの体は交わるように一つになっていく。

澪「どういう…こと…」

澪は眼前の光景を理解できないでいる。
律たちもまた同様にだ。



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:34:07.68 ID:c6HPofFl0
紬とアナーヒターが完全に重なったとき、
エメラルド色の強い光があたりに降注ぐ。


律「くぅっ…」

目を強く閉じ、光の威力を交わそうとする律たち。
そして、エメラルド色の光から、
スプンタマンユの発する光のみになったとき。

紬は、スプンタ・マンユの横で、空中に静止していた。
ゆっくりと閉じた瞳を開く紬。



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:38:04.71 ID:c6HPofFl0
梓「綺麗な色…」

梓は息を呑んだ。

紬の瞳の色が、透き通り青みがかった、エメラルドグリーンに変わっている。
身に着けているものも、瞳と同色のローブのみ。
アナーヒターのものと同じものだ。
そして、背後には、頭光と身光を帯びている。

背からは、まばゆくかがやく翼が生え、
肩甲骨から、目いっぱいに左右へと伸びている。
形は、鷹や鳶のそれに似る。



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:47:53.98 ID:c6HPofFl0
和「天使の形態の由来は、一つにはゾロアスター教…」

和は世界史の授業で聞いた小話を思い出す。
すぐ横のさわ子の鼻息がかなり荒くなっていることは、
気にしないことにした。

澪(どうすれば…)

澪は考える。これは最悪の展開へと進みつつあるのではないか?

『いざ、タマーヴァンド山へ。』

タローマティは全く反応しない。
口元には、はっきりとわかる笑みを浮かべている。

スプンタ・マンユからより大きな光が放たれ、
あたりが再び夕闇のもとにかえるまでに、数十秒。

そのときには、もう、唯も、紬も、
人にあらざるものたちも、姿を消していた。




103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 16:58:31.87 ID:c6HPofFl0
紬は、どこかを浮遊していた。
スプンタ・マンユから大きな光が放たれた刹那、彼女はそこにいたのである。

所々に木々の生えた、ステップのような場所。
空間の明るさは、早朝のようにも夕方のようにも思え、ほのかに暗く
朝焼けの紫と夕闇の橙が交じり合っている。

背後からから声がする。

『よく来られました、祠堂を継ぐ方。』




106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 17:05:42.97 ID:c6HPofFl0
そこにはセミロングの髪を蓄え、円筒状の紫の帽子を被り
横幅の広い、橙の縁取りのついたローブを着た男性がいた。
右肩から非常に長い朱色の布を、前後に垂らしている。

ウォフ・マナフ『私はウォフ・マナフ。
        善思を司るアムシャスプンタが一柱。
        アカ・マナフを滅ぼす者です。』



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 17:16:39.29 ID:c6HPofFl0
紬が周囲を見回すと、ウォフマナフを中心に紬に向かって
半円に開くような形で、計六名の者が空中に浮かんでいる。

『よく来られた。スラエータオナをもって、
 アジ・ダハーカをくびきに繋ぐ方。』

紬『あなたは…?』

アシャ『私はアシャ・ヴァヒシュター
    真実と正義を司るアムシャスプンタが一柱。
    ドゥルジを滅ぼす者。』

紬『スラエータオナとアジダハーカというのは…?』

アシャ『アジ・ダハーカというのは、アンラ・マンユがとる形のひとつ。
    スラエータオナは、アジ・ダハーカをくびきに繋ぐための武器。
    ヴァジュラとも、あなたのくにの言葉では、金剛杵とも呼ばれます。』




108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 17:26:57.50 ID:c6HPofFl0
アシャは真紅のゆったりとした、ローブを身にまとっている。
炎を模した抽象的な模様が、細密に縫いこまれている。

頭の帽子は、縦線の意匠が入った、ウォフマナフとはまた別の円柱形の物。
頭髪は、ウォフマナフと同じ金髪で、ボブヘアーのように見える。
右手には、清浄に輝く炎を有し、左手には天秤を持つ。

アシャ『気を引き締めなさい。ここは私の力も、
    ドゥルジの力も及ぶ場所。』




109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 17:37:30.54 ID:c6HPofFl0
『祠堂を継ぐものよ、敵は手ごわい。』

白髪の初老の男性が声を発する。
頭には、日輪と鳩の翼を模した黄金の冠を被り、
手には、白銀に輝く鞘に入った剣をもつ。

白色のローブの上に、黄色の上衣を纏う。
また、ウォフ・マナフやアシャと違い、豊かな顎鬚がある。

紬『あなたは…?』

クシャスラ『私はクシャスラ・ヴァイリヤ
      正しき力を司るアムシャスプンタが一柱。
      サウルウァを滅ぼすもの。』

クシャスラ『祠堂を継ぐものよ、スラエータオナをうまく扱え。
      アンラ・マンユは恐ろしく手ごわい。』



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 17:46:17.79 ID:c6HPofFl0
『ダエーワたちは、不敵に待ち構えています。』

中年の女性のが声を発する。

紬『あなたは…?』

アールマティ『私はアールマティ。
       清き水を司るアムシャスプンタが一柱。
       タローマティを滅ぼす者です。』

アールマティは青色と水色で彩られた、
厚手でゆるやかなローブを身に纏っている。
フードで頭部を覆い、その上に円筒形で輪状の冠を被る。

『タローマティは一部始終を見ていました。
 彼女は、これからの戦いを喜んでいるようです。』




113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:00:42.01 ID:c6HPofFl0
『祠堂を継ぐ方、スラエータオナをふるう方よ。』

『私たちは、あなたの力となりましょう。』

男性と女性が並んで声を発する。

若い男性のほうは、体格にぴっちりとあった、
薄い緑色のローブを身に着けている。
木の葉の意匠をあしらった模様が描かれており、
その上から深緑の上衣を纏う。手には、何かの花を模した短い杖を持つ。
頭髪は色も形もアシャに似ている。帽子も同様に。


若い女性のほうは、水色の薄手のローブを身につけ、金色の帯をしめている。
頭には円筒状の青色の帽子。長い金色の髪を持つ。
左手に水甕をもち、その中には滔滔と清水がたたえられている。




115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:08:18.07 ID:c6HPofFl0
紬『あなた方は…』

まず、先に若い男性のほうが答える。

アムルタート『私はアムルタート。
       不死を司るアムシャスプンタが一柱。
       ザリチュを滅ぼす者。』

続いて若い女性が答える。

ハルワタート『私はハルワタート。
       完全を司るアムシャスプンタが一柱。
       タルウィを滅ぼすもの。』

アムルタート『さあ、その手にスラエータオナを持ちなさい。』

ハルワタート『スラエータオナをもって、アジダハーカをくびきに繋ぐのです。』




116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:13:42.64 ID:c6HPofFl0
スプンタ・マンユの声がする。

『さあ、われらとともに、ヤザダとともに、アンラ・マンユのもとへ。』

見ると周囲に様々な形の神格たちが見える。
皆、紬を注視しているようだ。

紬『そこに…唯ちゃんはいるんですね!?』

『その通りです。』

紬『アンラ・マンユという神様は、唯ちゃんを…』

『そば近くに永遠に繋ぐつもりなのか、自らの一部とするつもりなのか…
 アンラ・マンユのことは、よく理解しえません。』

紬『自分の一部…そんな…』


『さあ、アンラ・マンユのもとへ!』



117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:23:12.03 ID:c6HPofFl0
唯『ん…ここ…』

唯は気がついた。
そこは少し薄暗い、草原のような場所だ。

『気が付いたか、ユイ、わたしの愛しいものよ。』

朽ちつつある竜、アーリマンの声がする。

よく目を凝らせば、唯から20mほど離れたところに
アーリマンと六体のダエーワの姿があった。

タローマティのみ、以前の姿ではなく人型である。
そしてその周囲には、異形の神々がひしめき合っている

『すぐにも、〈はらから〉の影が
 アムシャ・スプンタどもを率い、ここにやって来よう。』

唯『はらから…兄弟の影?』

『いかにも。』

アーリマンは答える。

『我が〈はらから〉、マズダーはめったに姿を見せぬ。
 かわりに居るのが、その影、スプンタ・マンユ。』



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:36:00.64 ID:c6HPofFl0
唯『じゃあ…ヤザダたちも…』

『いかにも。』

アーリマンは答える。

唯『あのヤザダと…合体変形した…ムギちゃんも…』

『いかにも。』

アーリマンは再び答える。

唯『ダエーワの主!!やめてっ!ムギちゃんと戦わないで!!』

アーリマン『それはできぬ。あの娘はアナーヒターと一つになった。
      その手にスラエータオナを持って、私を打ち倒そうとするだろう。』




119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:42:50.65 ID:nw4IUy8DO
ムギやばい



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:44:21.21 ID:c6HPofFl0
唯『お願い!!ダエーワの主!!やさしいあなたなら…』

アーリマン『やさしい?私は、お前を愛しているだけだ。
      スラエータオナを振るう小娘を食い殺すは、全く本望。』

アーリマンは表情をかえず、そう言う。

唯『そ、んな…』

アーリマン『〈臆見〉、ユイを守りつつ、存分に戦え。』

アーリマンはタローマティにそう言う。

タローマティは、言葉を発しなかった。
フードの下の口は、悦びに満ちた笑みで、大きく変形している。

そのとき。

『ゆいちゃーーーーんん!!!』

紬の声がした。アムシャスプンタらとともに、
紬が空中を、ダエーワたちのもとへ近づいていく。

唯『ムギちゃん…!?天使…みたいに…』

『来たか。旨そうな小娘だ…』

アーリマンは、その目を細めた。




121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:51:44.32 ID:c6HPofFl0
一方、『烏飼の臣』の墳墓前。

澪たちは呆然とその場に立ち尽くしていた。

憂「おねえ…ちゃん…」ポロポロ…

憂はただ涙を流すだけ。

和「斎藤さん!!とにかく警察に!!」

和が機転を利かせる。

斎藤「はいっ!」

律「警察にいってどうすんだよ!?化け物みたいのが二匹現れて、
  唯とムギをどっか連れてったって…信じてくれるのかよ!?」

律は、眉をきつく潜めて、そうはき捨てる。

絶対に警察は信じないだろう。
しかも、仏像や猿石が散在しているこの状況では…



123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 18:59:01.54 ID:c6HPofFl0
梓「でも…なにかしないと…唯先輩とムギ先輩が…」

梓も、目に涙を浮かべる。

さわ子「とにかく!みんなこの周辺を探すの!!
    どこかに…絶対にいるはずだから!!」

さわ子が叫ぶ。

そのとき、澪は…

澪(アーリマンの愛を増大させるな…
  大王の祠堂を開錠させるな…
  タマーヴァンド山で…英雄と竜は争う…)

澪(唯とムギが…)

澪(私は…)

澪(私が決めらばいいんだ!!)




124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:05:33.37 ID:c6HPofFl0
澪「ミスラ!!」

澪はその場で叫んだ。

澪「私は決めました!!そして…あなたの力が必要なんです!!」

律「澪、おまえな…」

澪がそう叫び、律が澪に何か言おうとしたとき。

その瞬間、そこにいる澪以外の動きが静止した。
時が止まったのか、刹那の出来事なのか。



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:07:34.52 ID:c6HPofFl0
澪の髪から太陽色に輝く球のようなものが現れ、
それは眼前で、男性戦士のかたちをとる。
ミスラに、ネルガルと呼ばれた、あのウルスラグナの一人だ。

ネルガル「よかろう。さあ、言うがいい。」

澪「私を…タマーヴァンド山に!」

ネルガル「承知した。」

澪「でも、その前に…取りにいくものが…」



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:19:27.59 ID:c6HPofFl0
紬は、アーリマンから少し離れたところで静止していた。

紬(あの大きな腐った竜…あれがアンラ・マンユ…?)

おざましい腐敗と死の臭いが紬の鼻をうつ。

『いまこそ、スラエータオナでともにアンラ・マンユを。』

スプンタマンユが言う。

紬『スラエータオナという武器はどこに…?』

『ハルワタート、アムルタート。』

スプンタマンユがそう言うと、ハルワタートとアムルタートが紬の前に出る。
すると、二柱のかたちが渦巻状の柱となり、
各々左右に移動し、一つに融合する。

二柱の姿が消えると、そこには、
長さ40センチメートルくらいの、棒状の武器が水平に浮かんでいた。
白くまばゆく輝き、両先端はそれぞれ、ほのかに赤と水色に光っている。

『さあ、スラエータオナを手に取りなさい。』

紬はスラエータオナに手を伸ばす。

『唯ちゃん…絶対助けるから!!』




128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:29:19.63 ID:c6HPofFl0
紬はスラエータオナを右手に、
一直線にアーリマンのもとへ飛び出す。

『来たか…』

そう言うとアーリマンは首をもたげ、なにやら呟く。
影色の衣のようなものがアーリマンの周囲を覆い、
空中に浮遊をはじめる。

紬の手の中で、スラエータオナは
形状を1mぐらいの槍型に変える。

アーリマンの目前に肉薄し、竜の両目の部分を大きく凪ぐ。
腐敗液の濁流とともに、アーリマンの顔に大きな傷がつく。
地鳴りのようなおぞましい叫び声をあげる竜。



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:38:42.04 ID:c6HPofFl0
アーリマンは紬の横腹を噛み切ろうとするが、間一髪でかわす。

唯『あ…ああ…ふたりとも…やめてよ…』

タローマティに守られ少し離れた場所から、紬と竜の戦いを見やる。
そのとき、アールマティがタローマティに近づいてく。

アールマティ『久しぶりです、タローマティ。』

タローマティは何も発せず、悦びに大きく歪んだ顔を敵対者に向けた。

アールマティが胸元で印を結ぶ。
アールマティの周りから水と岩石が柱のように生えあがり、
タローマティへ向かって、生きているかのように突出していく。

タローマティのまわりの虚空で、それらが何かに衝突し四散する。
タローマティも大きく印を結び始める。



130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:50:20.05 ID:c6HPofFl0
その周辺でも、ヤザダたちとダエーワたちが、
また、五柱のアムシャスプンタと五体の大悪神が戦いをはじめていた。
ウォフ・マナフはアカ・マナフと、ドゥルジはアシャと…

紬はなおも、竜の周辺を舞うように飛び交い、
スラエータオナで竜を傷つけていく。
対して、紬にかすることもできぬアーリマン。

紬は、アーリマンから一定の距離をとると、
スラエータオナを、もとのやや短い棒状に戻す。
紬は、それをアーリマンに投げつける。
投げつけるたびに、虚空からもう一つのスラエータオナが現れ
それをまた投げつける。
アーリマンの全身に突き刺せるスラエータオナ。

紬が、胸元で印を結ぶと、竜に刺さった数十個のスラエータオナが、
アーリマンの周辺に浮遊する。
今一度、印を結ぶと、数十個のスラエータオナはその体(たい)を急速に伸ばし、
竜の全身を無数に貫く。

すさまじいうなり声をあげるアーリマン。




133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 19:54:53.88 ID:c6HPofFl0
紬『これでっ…』

そのときである。

『戯れだ。』

アーリマンは突然そう言った。
苦痛を示していた表情も、瞳のない、いつもの無表情のものとなる。

『〈渇き〉、〈熱〉、参れ。』

アーリマンがそういうと、離れたところにたたずんでいた
ザリチュとタルウィが近づいてくる。




134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:03:02.64 ID:c6HPofFl0
ザリチュとタルウィがアーリマンの頭部のすぐ横まで来ると、
二体のダエーワは、はじめて各々の体を分離させる。
紬は息を呑む。

一見すれば頭髪のない死体のようなザリチュは、
左腕と右足付け根から先、そして左下腹部を欠損しており、

大トカゲと亀の頭部をあわせたようなタルウィは、
右前足と左後ろ足の付け根から先、そして右上腹部がなかった。

ニ柱のダエーワはザリチュがアーリマンの右側、
タルウィがアーリマンの左側で静止する。




135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:08:27.14 ID:c6HPofFl0
『スラエータオナを持つものは、アジダハーカと争う。』

アーリマンは無表情で続ける。

『小娘よ、今こそ、お前の陰(ホト)肉を存分に堪能してやろう。』

そうアーリマンが言い終わったとき。
アーリマンの頭部と、ザリチュ、タルウィが融合を始めた。
ボコボコという音と腐敗液を放出しながら。

紬はあまりのおぞましさに強い吐き気を覚える。

アーリマンの体が急速に腐敗から再生していく。
アーリマンの纏っていた影色の衣のようなものは
幾つもの波となって、アーリマンの体を包む。




139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:30:16.28 ID:c6HPofFl0
そして、紬の前にあらわれったのは、体長こそ変わらぬものの、
長い首の先に三個の頭と、六個の目、三つの口をもち、
赤がかった黒銅色に輝く姿の竜であった。

『喰らうとするか。』

そういうと、アーリマンは、
紬に向かって、その三つの頭を有する頭部を突出させる。
うまくかわすことができず、右の翼を食いちぎられる。

『っっっーー!!!』

声にならないうめきを発する紬。

唯『ムギちゃん!!ねえ!やめてっ!ムギちゃんを傷つけないで!』



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:32:36.11 ID:c6HPofFl0
しかし、食いちぎられた紬の翼の周りに
水流のようなものが生まれ、欠損した部分を包む。
そして、次に水流が消えたときには、翼がもとのままに復元されていた。

唯『え…』

そのとき初めて、タローマティが口を開く。

タローマティ『あの娘はヤザダと合一した…ゆえにほぼ不滅…』

タローマティの言葉が続く間、
紬とアジダハーカは互いに何箇所か傷を付けあうが、
アジダハーカは、内部から湧き出るように
紬の傷のまわりには、先ほどの水流が取り付くようにして、
欠けた部分を修復していく。



145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:39:03.10 ID:c6HPofFl0
タローマティ『スラエータオナを持つ者と…
       アジダハーカの戦いは…すぐに終わりはしない…』

アールマティと争い、印を結びながら、タローマティは答える。

唯『どのぐらいつづくの…?』

タローマティ『日が沈むのを…千度繰り返すほどか…その十倍か…』

唯『うそ…』

タローマティ『お前が老い…地上の生を終えても…
       決着はつかぬかも知れぬ…』

唯『そんな…』

唯の目から光が失われる。




149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:42:19.52 ID:c6HPofFl0
互いに相手を傷つけあう、
スラエータオナを持つ紬とアジダハーカ。
唯はそれを力なく見つめる。

タローマティ『安心するがいい…ダエーワの主が勝ち…
       お前を…我らと同じ…ダエーワの一柱と…してくださる…』

唯は何も答えない。

そのとき、不思議な音色が響いてくる。



151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:51:38.57 ID:c6HPofFl0
mazdayast~Angrayast~♪

唯『ギターみたいな音と…この歌声…』

唯『澪ちゃん!!』

唯が叫ぶ。

アーリマンと紬が争うその真下で、澪が歌を歌っている。
手には、琵琶のようなシタールのような形をした楽器。
色や模様ははネルガルの鎧によく似ている。




153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 20:57:14.03 ID:c6HPofFl0
澪『puthra…zur~van…vispa~♪』

手馴れた手つきで、弦楽器のようなものを弾き鳴らす澪。

すると、争っていたヤザダやダエーワが動きを止め始める。
瞳を閉じて、ぴくりとも動かなくなっていく。

アムシャスプンタやドゥルジたちも同様である。
動きがどんどん鈍くなってゆく。

スプンタ・マンユ『この…うたは……』



156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:00:44.61 ID:c6HPofFl0
アーリマン『父母の…胎に…おったころの…』

スプンタマンユ『胎の…波音の…ごとく…』

唯『どういうことなの!?』

唯は、タローマティに尋ねたが、タローマティも、
そしてアールマティも、空中に静止したまま、ぴくりとも動かない。




157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:03:40.93 ID:nw4IUy8DO
おお、澪すげえ



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:05:21.71 ID:VxTDYtI00
聡が処女膜ブレイクしたから母になれたのか



159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:07:16.51 ID:MTCx/bMsO
まだブレイクしてなかったはず



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:07:53.44 ID:c6HPofFl0
澪『dushma~taca…duzhuxtaca duzhvarsh~taca~♪』

スプンタマンユ『永劫の…父の…うた…』

アーリマン『くぅ…眠りにつけと…ユイ…おまえの…』

紬も瞳を閉じ、空中で静止したまま。
アーリマンは続ける。

アーリマン『フラワシが…何度か巡ったとき…また…』

そして、アーリマンもスプンタ・マンユも活動を停止した。
同時に、急速に地上へと落下する紬。

澪『あっムギっ!!ネルガル頼むっ』

そう澪が叫ぶと、澪の持っていた楽器の模様が剥げるように別たれ、
戦士の姿をとると、間一髪で紬を受け止める。

澪『よかった…』

澪の持っていた楽器は、いつの間にかベースの形になっている。




166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:17:13.33 ID:c6HPofFl0
澪は紬を抱えているネルガルのもとに駆け寄る。
紬は、アナーヒターと合一する前の、人間の姿に戻っている。
目は閉じたままだ。

澪「ムギ…」

ネルガル『案ずるな…疲れきって、意識を放しているだけだ。』

ネルガルはそう答える。

唯「澪ちゃん!どういうことなの!?」

唯も駆け寄ってくる。




167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:18:50.15 ID:c6HPofFl0
澪「『ズルワーンの子守唄』を歌っただけだ。」

唯「ズルワーンの子守唄…」

澪「ダエーワの主と…アフラの王のための子守唄…」

澪「ミスラに教えていただいたんだ。
  ズルワーンの胎内にいるころ、二柱が聞いていた歌があるって。
  胎のさざなみを曲にしてさ。」




168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:22:49.58 ID:c6HPofFl0
唯「そうなんだ…」

そういうと唯は、周囲を、
視界に入るだけの、タマーヴァンドの裾野に広がる草原を見渡す。

ヤザダもダエーワも、アーリマンもスプンタマンユも静止している。
おそらく、どこかで、アフラマズダーもであろう。

唯「ダエーワの…主…」

唯は哀しそうな顔をして、眠りについたアーリマンを見つめる。



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:27:55.59 ID:c6HPofFl0
澪は、唯がどのような思いを抱えているのかわからない。

澪は、ネルガルに言う。

澪「ネルガル、私たちを元の場所にお願いします。」

ネルガル『心得た。』

澪「あと、私たち三人と、律たちや、少しでも関係した人たちの記憶から
  今回のことに関することを、全て消してください。
  できれば仏像と石像も元の場所に…」

唯「えっ…」

ネルガル「よいのか?」

澪「唯。」




173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:32:53.28 ID:c6HPofFl0
唯は再びアーリマンを見つめる。

唯「…」

唯は答えない。

澪「ゆい、今回のことは忘れたほうが良いんだ。」

唯「…」

澪「死んだときに、唯が望むなら、唯が望んだようにすればいい。
  でも、今は、私たちは人間だから。」

澪はミスラの言葉を思い出す。
本当のところは、人間が死んだら、どうなるのかはわからない。
魂となるのか、ミスラの言うとおり無限回、生を繰り返すのか。

唯「わかった…よ…」

唯は俯いたまま、そう答える。




176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:38:21.22 ID:c6HPofFl0
澪は、紬を肩に担ぐと、ネルガルに向き合う。

澪「ネルガル、ミスラに、ありがとうございましたと、
  伝えて下い。」

ネルガル『承知した。しかし、ミスラは仰られるだろう。
     今回の結果をもたらしたのは、お前が決めたからだと。』

澪「…////」

すこし照れる澪。

澪「じゃあ、お願いします、唯。」

唯「うん…」

唯は、アーリマンから目をそらすと、ぐっと瞳を閉じる。
目尻がかすかに微かに珠がつく。

ネルガル『では、参るとしよう。』





もし、私が死んだとき…そのとき…私がのぞむなら…



177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:44:43.15 ID:c6HPofFl0
唯「…ん…ん?」

唯は意識を取り戻す。

唯「あれ…ここは…」

まわりを見回すと、澪や紬に、律たちも倒れている。

唯はとなりで倒れている、澪を揺さぶる。

唯「澪ちゃん!澪ちゃん!」

澪「ん?あ、あれ…」

澪も意識を取り戻す。

澪「ここは…?」

周りは、片側が林、もう片方が小高い丘。どうやら古墳らしい。

澪「あれ、なんでみんなも倒れて…」

澪「あれ?大和三山から帰って、それで…」

澪は、その辺の経緯をまったく思い出せない。




180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:48:42.95 ID:c6HPofFl0
律「あ…あれ…ぇ」

律たちも次々と目をさます。

さわ子「ふわぁよく寝た…もう別荘につ…ここどこ!?」

和「事故にあったというわけでもないですし…」

梓「なんか不思議な夢を見た気がするような…」

聡「ふぁ…あ…あ…あ!!!」

聡は一点を見て固まる。




181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:55:07.24 ID:c6HPofFl0
聡の視線の先には…

紬「ふああ…よくねたわね…」

そういうと、紬はゆっくり立ち上がる。

聡「あうあう…///」

聡は紬を直視したまま固まる。

律「聡、どうしたん…っておい!!ムギおまえ!!」

憂「…/////」

澪「むぎっ!!」

紬「どうしたの、りっちゃん、澪ちゃん?」

澪「なんでお前だけ全裸なんだよっ!!」




182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:56:48.42 ID:MTCx/bMsO
全裸www



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:56:51.40 ID:mLC6dFc8O
聡懲りてないみだいだね 朽ち果てるがよい



184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 21:58:05.43 ID:c6HPofFl0
紬「え?」

下を向き、自分の体をまじまじと見る紬。全裸である。

紬「い…いやぁぁぁぁぁ!!!!!」

律「あっ、さとしてめぇーー!!どこ膨らましてやがんだ!!
  ちょん切ってやる!!」

斎藤「お嬢様…おいたわしや…」

唯(なんか大事なものを…)

唯(でも、大事なら思い出せるよね…)

そして一行は、とりあえず別荘への帰路を取ることになる。






しかし、その夜…

律「んん…n…」

就寝していた律はの枕元に何かがいる気配がする。

『頼みがある…』



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:04:38.29 ID:c6HPofFl0
律「ん…」

『頼みがある…』

律は眠りから覚める。枕元から何者かが話しかけてくるようだ。

律は上半身を起こし振り返ると…

そこには、髭面で、面長な顔の中年男性が立っていた。
フードつきのローブを身につけ、半分透けている。
どうやら中東系の人間らしい。

律「ひっ…」

固まる律。

『頼みがある…』

男性は繰り返す。




188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:04:55.89 ID:bUOVp1wL0
本屋の店主「わたしだ」

律「なんだお前だったのか、全然気がつかなかったぞ」

本屋の店主「暇をもてあました」

律「神々の」

本屋の店主・律「遊び」



190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:10:29.29 ID:8ppUF474O
>>188
おいやめろwww



192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:11:35.26 ID:cCA+FTP+0
>>188
そのネタはSSへの割り込みと親和性がありすぎて困る



193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:14:13.49 ID:c6HPofFl0
律「あ、あなたは…どなたで…た、たのみとは…なんでしょうか…」

律はビビリながらも聞き返す。

ユダ『わたしはイスカリオテのシモンの子ユダ。
   イエスの十二使徒が一人。』

ユダ『私の魂は、地獄の最下層コキュートスと呼ばれる場所で獄に繋がれている。
   このすがたは、いわばまぼろし…』

ユダ『頼みというのは、地獄から私が抜け出る手伝いを
   してもらいたいのだ…』

律「へっ…ちょっと…なにをおっしゃって…」

ユダ『地獄を抜け出、主(しゅ)の前に跪きたいのだ。
   主は優しい方。きっと赦してくれるであろうから。』

律「いや、そんなこといわれても…」

ユダ『もし協力してくれるなら…主に頼んで…
   あなたの願いをなんでもかなえていただくつもりだ…』




197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:19:00.76 ID:c6HPofFl0
律「なんでも!?まじでっ!?」

ユダ『ああ…』

律「じゃ、じゃあ…澪と…ゴニョゴニョ…」

ユダ『たやすい事だ…』

律「やります!やらせていただきます!!」




一方、梓も

梓「あ、あなたは…」

『私は釈尊が高弟の一人、提婆達多(だいばだった)…』


次回、 律「ジュデッカ!!」
お楽しみに!!


おわり



上記は大嘘です。続きません。




198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:20:56.33 ID:kVx4EyiN0
おもしろかったよ



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:21:03.62 ID:cC2o4n0v0




200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:21:22.58 ID:53CWoZPe0
釈尊←これなんて読むの?ジャクソン?



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:22:24.87 ID:Wk3hqCn8P
>>200
しゃくそん
仏教の開祖、ゴータマ・シッダッタのこと



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:28:52.70 ID:oxJvoES/0
面白かった
つまるところ神々の遊びだったというわけか



214 名前:補筆1:2009/07/25(土) 22:29:46.04 ID:c6HPofFl0
すいません、最後にちょろっと解説。
まず、ミスラですがユーラシア中に結構広まった普遍的な神格です。
ゾロアスター教では、アムシャスプンタの下、ヤザダに位置づけられます。
しかし、アケメネス朝以降、ギリシア人支配を経て、
パルティア建国と時が移る中で、王をはじめとして、強い帰依をうけるようになります。
そのため、当時のパルティアやその周辺国の王の名前には、
よく『ミトラ』の語句が加えられています。

とはいえ、ゾロアスター今日では格下の位置づけです。
今回は、アフラマズダとアーリマンのバランスをとるために、
調和を司る大神として登場させました。
ジョルジュ・デュメジルのアーリア人における三機能や
自然(ピュシス)、ハルモニア(調和)、ノモス(広義の法秩序)も参照しました。

なので、ミスラは、『ミフル』、ヤザダであの世の裁判官くらいに考えるとよいです。




215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:29:48.21 ID:hqDnSugMO
ダイバダッタは仏陀の教団を乗っ取ろうとした人じゃなかったっけ?

いや詳しくは知らんのだが



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:33:42.35 ID:j52cFFFkO
>>215
それで合ってるよ。
ちなみに読みをパーリ語っぽくするとデーヴァダッタになる。
不思議な符合……か?


ともあれ>>1乙。
>>1に刺激されて唯が空思想に目覚める話を思案中……w



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:33:54.68 ID:mLC6dFc8O
ミスラってヤザタだよなとは思ってたけどやっぱりそうなんだな



223 名前:補筆2:2009/07/25(土) 22:39:05.29 ID:c6HPofFl0
その二です。
スラエータオナというのは武器ではなく、いわゆる竜殺しの英雄です。
インドラvsヴリトラに対応していると考えられています。
使った武器というのはアヴェスターに記述されていないのでわかりません。
イスラム時代の文学では、フェリドゥーンという名で登場します。
鉾を使ったらしいです。

対するアジダハーカ竜は、アンリマンユ配下の化け物もしくは化身とされます。
頭は三個、口は三個、目は六個です。

神様の姿は信じんでください。
たとえば、アーリマン配下の6体の悪神の姿は、ほとんど現物と違います。
若干ドゥルジが近いくらい。

アムシャスプンタの姿は、パールシー(現在いるゾロアスター教徒)の
神を描いた絵を参考にしました。髪の色だけは変えてます。
パールシーの図像ではみな黒か褐色に近い黒です。




225 名前:補筆3:2009/07/25(土) 22:47:52.68 ID:c6HPofFl0
最後は言葉についてです。
アーリマンとアンラマンユがあります。
アンラマンユはアヴェスター語といわれる古代東部ペルシアの言葉です。
紀元前10世紀前後までさかのぼります。

アーリマンは、パフレヴィー語、ササン朝ペルシア時代あたりの
もっと後期のペルシアの言葉です。

デーウァとダエーワなども同様になります。

この辺はほとんど使い分けをしてません。
アーリマンのみ、マズダー方はアンラマンユとよんでます。
これは、ズルワーン教が登場すると、
アフラマズダーとアーリマンは同格とされましたが、
それ以前は、スプンタマンユとアンラマンユが同格とされ、
アフラマズダーよりは明らかに格下とされたからです。

あとズルワーンの子守唄なんてありません。
ズルワーンへの讃歌を使いたかったんですが、
みつからなかったので、アフラマズダーへの賛歌をちろっと弄りました。

解説はここまで。

保守支援、本当にありがとうございました。

最後にひとつ。

紬はすごく良い!!

ほんとにおわり



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:48:40.76 ID:MTCx/bMsO

最後に>>1は何者なんだ
どこでこんな知識を得たんだ



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:48:54.44 ID:bUOVp1wL0
乙!
楽しかったよ!



228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:50:02.43 ID:j52cFFFkO
紬派とは!
やはり>>1は出来る子。

乙!



230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:51:48.21 ID:c6HPofFl0
あ、すいませんほんとに最後。
よろしければ誰か、

律「ジュデッカ!」

もしくは

梓「無間地獄!」

書いてください。


では、またどこかで。




231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:54:56.79 ID:bUOVp1wL0
>>230
アニメ二期は決まったな。次はこれだ。



233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:56:06.68 ID:LGobhaohO
>>230
無理にきまってんだろwwwwwwwww



234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 22:57:12.71 ID:O+SakTbh0
>>230
乙でした。
じゃ、ちょっと入信してくる。



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 23:09:28.87 ID:M+Eh5WJM0
この>>1何者なんだろう



239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 23:11:44.51 ID:LGobhaohO
>>237
このスレ最大の謎



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リクエストです。 携帯厨さん、ありがとうございました。
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この記事へのコメント
難しいです
2009/08/01(土) 21:15:58 | No.2730 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
映像化すればかなり楽しめそう。
2009/08/02(日) 00:31:12 | No.2731 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
正直難しすぎて意味わかんねぇww
2009/08/02(日) 05:01:19 | No.2732 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
そんなに難しいか…?
2009/08/02(日) 09:12:04 | No.2733 | 通りすがり | #L1ch7n1I[ 編集]
なんという厨二ネーム&キャラの多さ…
ブリーチの作者も、数千年前に生まれてたら神話の作者になれたかもな
2009/08/02(日) 15:32:55 | No.2734 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
>>1の暇を持て余した遊びだったのか……
2009/09/02(水) 22:11:07 | No.2898 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
あれだ、どっかで聞いたことがあると思ったら、ワーク・ワークだ。
2009/09/08(火) 01:01:41 | No.2961 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
最早けいおん!でやる必要性すらwwwww
2009/12/05(土) 05:22:41 | No.4019 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
なんでけいおんでやったしwww
勉強になった
2010/03/05(金) 22:26:39 | No.4624 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
tp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100421-00000001-agara-l30
>>盗まれた庚申塔5年ぶり地元へ拾われ龍神の寺で保管

>>09年1月、上秋津の地蔵の前に庚申塔が置かれているのを近くの住民が見つけた。「どこかで盗まれたものではないか」と思い、地元の谷口修一さん(80)が田辺署に届け出た。

もしや…
2010/04/21(水) 21:27:26 | No.4994 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
とても面白かった、読み応えあったよ
まるで観てきたかのような神々や悪神の描写、演出
それらがハッキリ映像として頭に入りこんで来た
アーリマンの頭部に乗った唯の場面がとても印象的

楽しく読ませて貰ったよ
ゾロアスター教に興味沸いた
ちょっとググって調べてみるわ
2010/09/07(火) 00:08:08 | No.7505 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2010/12/08(水) 14:24:52 | No.7860 | | #[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2017/07/26(水) 14:53:38 | No.7971 | | #[ 編集]
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