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唯「どうして憂ってヤンデレキャラとして固定されてるの?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 17:41:40.35 ID:CI2kd7rRO
たまには憂中心のSS書こうよ。



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 17:42:11.95 ID:omFWmW18O
うん



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ブログパーツ 唯「どうして憂ってヤンデレキャラとして固定されてるの?」
5 名前:ビリビリ:2009/07/02(木) 17:47:58.88 ID:X1G/JyEB0
確かに…



憂「お姉ちゃん、これから自分のことは自分でしてね」

唯「え!?どうしたの急に!?」

いきなり憂がそんなことを言い出した。いつにもなく真剣な声で。

憂「ん~と…だってもうすぐ高校3年生だよ?そろそろそういう習慣も身につけないと!ね?」

唯「え~、大丈夫だよ~。そんなの高校卒業してからでいいよ~」

その時はまだ、憂が私の心配をしてくれてそう言っているとしかとらえていなかった。



6 名前:ビリビリ:2009/07/02(木) 17:52:58.42 ID:X1G/JyEB0
――――2週間前――――

憂「けほっ、こほっ…」

ん~、このところ体調が悪い。自分では普通の生活を送っていたつもりなのにどうも風邪をひいたみたいだ。

唯「おっ!?憂、もしかして風邪っぽいの?」

一緒に登校しているお姉ちゃんが横から尋ねてきた。

憂「う~ん、そうなのかなあ~。ちょっと咳でるし」

唯「大丈夫?もしかして私の風邪がうつっちゃったのかなぁ…」

お姉ちゃんは変なところで心配性だ。お姉ちゃんの風邪なら2ヶ月前に治ってるからどう考えてもお姉ちゃんのがうつった訳ないのに。でもお姉ちゃんが私のことを心配してくれたのがなんだか嬉しくて
そんなことないよ、とだけ返事をしておいた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 17:55:53.00 ID:gv4tv/QWO
期待



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 17:59:59.71 ID:X1G/JyEB0
唯「そっかあ~。いや~憂に風邪がうつったらどうしようかと思ったよ~」

憂「大丈夫だよお姉ちゃん。辛かったら早退するし…」

唯「わかった~。体には気をつけなきゃ駄目だよ!?私が言うのもなんだけど…」

憂「うん。ありがとねお姉ちゃん、心配してくれて」

えへへ、と頭をかくお姉ちゃん。やっぱり優しいな。




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:10:39.95 ID:X1G/JyEB0
それから1週間。私の体調は良くなるどころか日がたつにつれて明らかに悪くなっていった。
おかげで昨日から学校も休んでいる。はあ、お父さんとお母さんもいるし今日はきちんと病院行かなきゃ。

唯「うい~。入るよ~?」

憂「う~ん」

そんなことを考えていたら部屋のドアがノックされお姉ちゃんが入ってきた。

唯「大丈夫?今日も学校休む?」

憂「うん。今日は病院行ってくるよ」

心配そうに、私の顔を覗き込んでくるお姉ちゃん。なんかお姉ちゃんに看病されているみたいでちょっと得した気分だった。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:16:02.33 ID:X1G/JyEB0
唯「わかった~。学校へは私が言っておくから!」

憂「コホッ、コホッ…ありがとねお姉ちゃん」

唯「えへへ…なんだかいつもと逆みたいだね!」

本当にそのとおりだと思った。こんなこと今まであまりなかったからなんか新鮮だなあ…。

唯「ん、じゃあ私行くね。早く風邪治るといいね!」

憂「うん!行ってらっしゃーい!」

バタン、とドアが閉まるのを確認すると私は上半身を起こして窓から外を見つめた。




14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:18:13.78 ID:Wna/DDseO
なぜだろう、死亡フラグのかほりが



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:22:29.79 ID:X1G/JyEB0
憂「…それにしてもどうしたんだろう?今までこんなに風邪が長引くことなんてなか…っっ!ごほっ!げほっ、ごほっ!!」

私は反射的に口を手で覆っていた。そして私は気付いた。口の中に広がる生ぬるい感触、口を覆った手の指の間からたれる液体、そして鼻を刺激する…鉄のにおい。

そんな…。私は恐る恐る手を口から離していった。

それは…やはり血だった。…どうして?そんな考えしか頭に浮かんでこない。なにやら得体の知れない恐怖を体で感じていた。

憂「かはっ!…どうし…たんだろ、私の体…」

再び外を見た。空は灰色の雲に覆われていた。




17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:25:41.83 ID:X1G/JyEB0
その後私は両親に連れられて病院に行った。親に血を吐いたことなんてとてもじゃないけど言えなかった。

車の窓から見える空は、さっきよりも増して黒くなっていた。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:32:10.47 ID:X1G/JyEB0
―――――――
病院では軽い診察から入り、その後なぜかレントゲン、血液検査といった感じに進んでいった。

もう、ただの風邪じゃないことは嫌でも予知できてしまった。

憂「はあ~、暇だな~」

両親が医者に呼び出されてから1時間。私は病室にいた。

最初はなんだか新鮮でそわそわしていたが、しだいに飽きがきて今ではだらんとベットに横たわっている。

憂「んー…あ、そうだ!授業に遅れないようにお母さんのかばんの中に勉強道具入ってたんだ。取りに行こ~っと!」

私は病室を出て、親を探す事にした。




21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:34:15.21 ID:0c+pZuo80
憂メインのSSは読みたいが死んじゃいや



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:36:18.53 ID:hM9+CJPg0
憂が出てくるssは大抵誰か死ぬ



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:36:54.55 ID:sJ/RoUbf0
死亡フラグってことは
結核じゃないな
肺ガンなのかデング熱なのか
はたまたエボラか



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:38:34.16 ID:X1G/JyEB0
父「な・・・で・・・」

憂「あれ?この声お父さんの?あの部屋かな?」

廊下を歩き始めて数分、意外とすぐに親がいる場所は分かった。

私はその扉の前に行き開けようとした。

?「ざんね・・・・・ほんと・・・す」

母「それにしても!!あと1ヶ月の命なんてあんまりです…!!先生!」

憂「…え?」

私はドアノブにかけた手を回せなかった。

あと1ヶ月の命?誰が?

私はさっきの言葉の意味が分かんなくて、悪いと思いつつ聞き耳をたてた。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:44:51.77 ID:X1G/JyEB0
医「しかし!もう手遅れなのです…」

その言葉を聞いた時、扉の向こうにいるのは知らない人じゃないのかと思えた。

でも、さっきから聞こえてくるこえは間違いなく両親の声で…

父「…なにか…助かる方法はないのですか?」

なにが手遅れなのか分からない。何の話をしているのか分からない。

医「…入院の上で絶対安静。そこで薬の投与を続ければ1週間くらいは寿命を延ばせます。しかし薬の副作用で激しい痛み、吐き気を伴います」

父「そんな…それじゃあ…どうすればいいんですか…っ?」

ここからでも両親が泣いているのが分かった。

医「それよりは…痛み止めを服用しながら最後まで笑顔で生きてもらったほうがいいとおもいます…」

憂「…っ!」




26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 18:54:16.44 ID:X1G/JyEB0
私はそこからゆっくりと自分の病室に向かった。

もうこれ以上話を聞く事なんてできそうになかった。

だってこの状況だと、明らかにあれは私のことを言ってる訳で…。残りの命はあと1ヶ月なわけで…

憂「うっ…。いやだよ…っ」

どんどん涙があふれてくるわけで…。ただただ下を向いて歩くことしかできなかった。

病院の窓から外を見ると、大粒の雨が地面を容赦なく叩きつけていた。




27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 19:00:51.03 ID:rAgdzRgL0
と、ここでネタばらし。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 19:02:38.17 ID:PEpaRcrVO
これにはさすがのターゲットも



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 19:45:15.86 ID:5Jf1cTnD0
どうしてこうなった



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 19:53:45.53 ID:X1G/JyEB0
―――――――
私は決めた。せめてお姉ちゃんがきちんと自立出来るようにしよう!と。

その日の夜、私は両親の寝室に向かい、最後のお願いをした。

「誰にも話さないでほしい」

それが私の親に対する最後のお願いだった。

親はなぜ病院での話がばれているのか不思議がったが私が事情を話すと、一緒になって泣いてくれた。

そして精神的にも身体的にも落ち着いてきたとき、私はお姉ちゃんにあの言葉を言い放った。



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 19:58:36.69 ID:X1G/JyEB0
――――――――
――――――――
唯「え~、大丈夫だよ~。そんなの高校卒業してからでいいよ~」

憂「もう!だめだよーのんびりしてたら!お姉ちゃんが高校卒業したらどうやって生活するつもりなの?」

憂は珍しく私を本気で怒っているようだった。いつもならそこまで言わないのに…。

唯「だ、大丈夫だよー。私もやるときはやるもん!!だから高校卒業までは甘えさせてよ~」

スリスリと体を寄せていこうとした私を、憂は拒むように顔をそむけた。

なぜだろう?今まで憂が私を拒絶したことなんてないのに…

唯「憂?」

憂は何もしゃべらなかった。時間にしてみれば3、4秒くらいだったのに私の中では1時間とも思える時間が過ぎているようだった。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 20:13:06.75 ID:X1G/JyEB0
憂「…」

その沈黙が苦しくて、私は憂に話しかけるしかなかった。

唯「ねえ…、どうしたの?いつもの憂らしくないよ…」

憂「…こんなじゃ…だよっ…」

唯「え?なに?」

憂「こんなじゃ駄目だよ!!!」

私は憂の肩に置こうとしていた手を自分の胸の前まで引っ込めていた。唖然とする私。周りの人が何事かとこっちを見ているのが分かった。

憂もそれに気付いたのか慌てて俯き、そして一瞬だけこちらを見ると先に向かって走っていった。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 20:17:18.95 ID:X1G/JyEB0
唯「あ…」

私にはこんな声しか出せなくて。

憂を引き止めることもできなくて…。

唯「憂…」

やがて憂が見えなくなるまで私はそこに棒のように立ったままだった。



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 20:35:38.53 ID:X1G/JyEB0
そこで私たち姉妹は生まれて最初の、そして最後になったけんかをした。

―――――

自宅から学校までがこんなに長いと感じたことはなかった。

それが憂がいないからなのか、それとも憂に拒絶されたからなのかは分からない。

帰り道もやっぱりそれは同じで、さっきからため息しかでていない。

唯「はあ~、帰ったらちゃんと憂にあやまろう」

この言葉を口にしたのは何回目だろうか。ずっとあやまる言葉を考えているが、なかなかいい言葉が思い浮かばなかった。



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 20:49:41.78 ID:X1G/JyEB0
そんなことを考えているうちにもう自宅の前に着いてしまった。家は夕焼けの光を真正面に受けていて、驚くくらい赤かった。

唯「…よし!」

覚悟を決めて、家の玄関の扉を開ける。

唯「たっだいまー!おなかすいたよ~」

勢いよく入ったのはいいものの、返事がない。憂の靴はあるから多分間違いなく家にはいるはず…

それでも返事がないのは嫌われてしまった証拠だろうか?

唯「う、うい~?」

さっきの言葉とは正反対の、弱弱しい音が家に響いた。最初にリビングを見る。

唯「…いない」

やっぱり自分の部屋だろうか?そう思った私はとりあえずかばんを自分のへやに置き、憂の部屋の扉の前まで行く。



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 21:01:31.69 ID:X1G/JyEB0
なぜか緊張して、ずれていたリボンを直しちゃったりして声を発するのに時間がかかった。

唯「う、憂?いる?話があるの…」

しばらく待ってみたが返事がない。ううっ、そんなに嫌われちゃったかな…

唯「憂…、あのさ、仲直りしようよ…。今日は私が悪かったよ…。だからね…うい?」

…おかしい。いくらなんでも静か過ぎる。まるで中に誰もいないような感じがした。

唯「…うい?…開けるよ?」

不安が頂点に達したとき、私は憂の部屋の扉を開けた。



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 21:19:30.67 ID:X1G/JyEB0
唯「う、うい?…」

カーテンが閉められ、暗いままの部屋。いつもと変わらない憂の部屋…。

そこに憂は……いなかった。

なぜか胸を撫で下ろす私。ふう、とだけ発すると私は憂部屋を後にした。

唯「はあ~。なんかすごく喉渇いちゃったよ。麦茶でも飲も~っと」

憂に謝っていないのに笑顔の私。それにしても憂は何処に行ったんだろうと思いつつ、キッチンに足をはこぶ。



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 21:20:45.18 ID:ZV7NtahnO
フェイントかけられてしまった



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 21:22:07.70 ID:Wna/DDseO
依然変わりなく嫌な予感しかしない件



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 21:42:09.67 ID:X1G/JyEB0
リビングからキッチンに入ろうとする。そこは憂の部屋とは異なり夕日が直に部屋全体を包んでいる。

と、そこで私は初めて何かの食べ物のにおいがしていることに気付いた。

唯「この匂い…シチュー?」

キッチンにはシチューの匂いが広がっていた。コンロの上ではずっとだろうか?火がなべ底を熱し続けている。

…おかしい。憂なら火には気をつけるはずだからこんなことはしないはず…。

私は何かとてつもない危機感を感じてすぐにキッチンの横に回りこんだ。



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 21:50:38.68 ID:X1G/JyEB0
私がそこで見たもの。

真っ赤な夕日に包まれ、キッチンの床に仰向けに倒れている愛しい妹。

その口からは夕日の色よりもずっと濃い血が溢れ、憂のエプロンを真っ赤に染めている。

シチューを作っている最中に吐血したのだろうか?

真っ白なシチューの表面には憂の血がまるでシミのようになっている。




64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 22:00:19.77 ID:X1G/JyEB0
唯「う…い?…」

私が発した第一声はそれだった。

私の頭はこの状況を受け入れたくないという考えと、早く何とかしなければいけないという考えの両方でグチャグチャになっていた。

心臓はバクバクと鳴り、全身から血の気が引いていく。

唯「あ…あ…」

もう何がなんだか分からない。普通だったら私は気絶しているかもしれない。

でも、憂の、かわいい憂のその口から出た大量の血を見て、私は必死に憂に呼びかけた。



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 22:12:34.15 ID:EIKRz2Jl0
なんで小島よしおが出て来たんだ俺の脳



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 22:22:01.65 ID:fYsBUv+vO
>>66
おまwwwwwwwwwww



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/02(木) 22:23:37.58 ID:X1G/JyEB0
私はすばやく憂にかけよると、体をそっと起こした。息はしている。しかし頭と腕は力なくカクンと垂れ下がり、エプロンにかかっている大量の血が私を不安のどん底へと突き落とす。

唯「ういいいいっ!!!ねえ!うい!!どうしたのっ!?返事をして?ねえ?…っ!!」

いくら呼び掛けても一向に返事をしない憂。もう、私の頭は不安と恐怖でパンクしそうだった。

唯「ど、どうしよう…。どうすればいいの…っ、憂ぃ?ぐすっ…」

こんな時でさえ憂に助けを求めてしまった自分が悔しい。本当に今まで憂に頼りっぱなしだったと自覚する。

でも、今は私がしっかりしないと憂が死んでしまうかもしれない。

とにかく私はいつの間にか出てきた涙をぬぐい、慌てて携帯から119番に電話をかけた。




113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 14:46:43.21 ID:a6cGektW0
―――――――
「手術中」の赤いランプが灯る夜の病院。私はただそのランプが、良い意味で消えるのを

待っていた。

親が話しかけてくる。
もう帰りなさい。明日も学校でしょ。気持ちは分かるが。もうこんな時間だし。唯の体も心

配なんだ…。

親のどんな言葉も、私の中ではただ棒読みのように流れるだけだった。今、私の心の中に

あるのは不安、戸惑い、そして、、、後悔…。それだけだった。



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 14:50:14.99 ID:a6cGektW0
私がもっと早くに気付いていればもしかしたら手術なんてしなくて良かったのかもしれない。

私が今日部活をやらずに憂と一緒に帰っていればこんなことにはならなかったかもしれない。

何かを考えようとしても、そんなことしか頭に浮かんでこなかった…。




116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 14:53:25.00 ID:a6cGektW0
―――――
そろそろ手術が始まって6時間が経とうとしている。

永遠のようにも思えたこの時間も、手術室から先生が出てきたときにおわった。

医「…」

父「先生!…む、娘は…娘は大丈夫なんですか?…」

医「手術は…成功です…。今はゆっくり寝かせてあげてください」




117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 14:56:55.84 ID:WLMieD6SO
成功か!良かった!



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 14:58:32.21 ID:a6cGektW0
「手術は成功です」この言葉が私の耳に入ってきた瞬間、私はずっと下を向けていた顔を、ゆっくりと起こした。ほかに先生とお父さんが何か話しているようだったが、私の耳には入ってこなかった。

唯「うっ…うっ…」

涙が出ていることが分かる。だって憂は助かったんだよ…こんなにうれしいことはない。

唯「…うっ…うわあああぁぁん!!よかった…よかったよう!!」

子供のような泣き声で、ここが真夜中の病院ということも忘れて、私はただただ隣にいる母に泣きついた。



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:03:01.07 ID:a6cGektW0
――――――

?「…ちゃん」

唯「…ん。」

誰かが頭をなでている。その手はとってもあったかくて、それでいて気持ちいい。

?「…ねえちゃん」

ゆっくりと目を開ける。まず目の前に広がったのは真っ白な世界。…それが病院の布団だということに気付くまで、3秒くらいかかってしまった。



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:06:18.41 ID:a6cGektW0
?「…お姉ちゃん?起きた?」

その声に私ははっとした。眠気も一気に吹きとんででしまう。

誰の声か?なんて愚問だ。私は向かずにはいられなかった。

唯「う…い…?」

そこにはいつもの、優しい目をした、私の大好きな憂がいた。

唯「うい…ういっ!…憂ーーーっ!!!!」

私は無我夢中で憂に抱きついた。憂の胸に顔をうめる。憂の匂いがする。

私は泣くことしかできなかった。




121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:15:36.87 ID:a6cGektW0
憂「お姉ちゃん…」

憂がそっと私を抱きしめてくれる。それがとっても心地よくて、私はさらに大きな声で泣いた。

唯「う゛い゛ぃーーー!良かった…。良かったよ~」

憂「お姉ちゃん…ずっとそばにいてくれたんだね?」

唯「うっ…、うん。だって…憂が…もう゛遠ぐに行っちゃいそうで…怖かったんだから~!」

憂「大丈夫だよ…。私はここにいるから…」

唯「うわああああぁん!憂~~!」

私は嬉しさのあまり、憂の服を涙と鼻水でグチャグチャにしながら再び眠るまで泣いていた。



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:20:49.93 ID:a6cGektW0
―――――
憂はそれから入院することになった。私はずっと憂のそばにいてあげたかったが、憂の猛反発にあい、仕方なく学校へ通っている。

学校では軽音部のみんなが心配していたが、すぐに良くなるだろうと思っていた私は大丈夫だよ、とだけ返事をしておいた。

それが大きな間違いであると気付かずに…



123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:29:33.67 ID:a6cGektW0
唯「憂~、入るよ~?」

一様確認をとってから病室に入る。ここ一週間、毎日のお見舞いが私の日課になっていた。

憂はいつもと変わらない笑顔で出迎えてくれた。

憂「あ、いらっしゃいお姉ちゃん。毎日来なくてもいいのに…」

唯「だって憂といるほうが楽しいんだもんっ」

私は憂の近くのパイプ椅子に腰をおろした。憂もそれにあわせてくれるように上半身を起こしてくれた。



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:37:42.02 ID:a6cGektW0
憂「お姉ちゃん、今日学校どうだった?」

唯「楽しかったよ~。憂も早く治して来なよ~」

憂「っ!…そ、そうだね!!」

…あれ?今憂の反応変じゃなかった…?

そのことが気になって

唯「ん?どうかしたの?」

私は出来るだけ自然に尋ねた。




127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:45:47.74 ID:a6cGektW0
憂「ううん!なんでもないよ!それよりも学校での話聞かせてよ!」

唯「??変な憂~。あ、そういえば今日りっちゃんがさ~…」

憂の反応の様子は気になったが、私は毎日の憂とのこのわずかな時間を無駄にしたくなかったので普通の会話に戻した。



128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:50:19.24 ID:a6cGektW0
憂「…ところでお姉ちゃん、ちゃんとした生活してる?私ちょっと心配で…」

唯「おっと!そのことなら大丈夫だよ~。毎日自分で起きてるし、お弁当だって作れるようになったんだから!」

そう、憂入院してから私の生活は大きく変わっていた。

朝はきちんと起きれるようになったし、親に頼んでお弁当は自分で作ることにした。



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 15:55:00.40 ID:a6cGektW0
憂「へえ~。すごいねお姉ちゃん!やっぱりお姉ちゃんはやるときはやる人だよ!」

憂にそう言ってもらえると、とても嬉しくなる。今まで憂に頼りっぱなしだった自分と比べれば、我ながらすごい成長だと思った。

唯「それに最近裁縫もかなり上手くなったんだ~」

憂「え~なになに~、どんなの作ってるの~?」




131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:06:05.56 ID:a6cGektW0
唯「えへへ、秘密だよ~」

作っているもの…それは憂にプレゼントするためのエプロンのことだった。

以前のあのエプロンだと印象が悪いかなと思った私はこっそり憂に新しいエプロンを送ってあげることに決め、それを作っていた。

それも、今日完成する。そして、明日憂にプレゼントするんだ!



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:15:53.47 ID:a6cGektW0
憂「もう~お姉ちゃんったら…教えてくれてもいいのに~」

唯「ん~、…明日になったら教えてあげる」

憂「本当!?明日が楽しみだなあ~」

唯「も~、そんなに期待しないでよ~」

憂「あ…それもそうなんだけどね…明日私退院出来るみたいなんだ~」



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:24:06.94 ID:a6cGektW0
え…?

唯「ほ、本当!?本当なの憂!!?」

私はその言葉を聞いて大きく胸が高鳴るのが分かった。

憂「うん。昨日から調子良かったし。病院の先生も明日検査して大丈夫だったらいいよって言ってくれたんだ~」

私は興奮せずにはいられなかった。




138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:29:23.62 ID:ayDLyRX7O
なにこの死亡フラグ



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:32:48.20 ID:a6cGektW0
それから私たちはいろいろな話をした。

明日憂が退院出来るから週末は遊園地に遊びに行くことになりその話で特にもりあがった。

唯「じゃあ憂…帰るね」

気がつけばいつもより1時間も長く病院にいることに気付いた。

憂「うん」

唯「今日は早く寝るんだよ~」

憂「あはは、お姉ちゃんもね~」

私がドアに手をかけようとしたとき、

憂「お姉ちゃん!」

憂に話しかけられた。

唯「ん?何?」

憂「…また…明日ね…」

憂は満面の笑みとともに言った。

唯「…うん、また明日!」




141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:40:41.40 ID:a6cGektW0
―――――

次の日、もし学校にいる間に憂が退院したことも考えて私は完成したエプロンをかばんにしまい、家を出た。

唯「あ~今日憂が退院するのか~。ふふっ、楽しみだなあ」

学校に行くまで、私は憂のプレゼントをもらった顔を想像したり、週末に行く遊園地の事を考えたりしていた…。



142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:45:25.18 ID:QPNH06xC0
うわあああああやめてくれええええええ



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:47:36.50 ID:gRJVzblxO
ああ……



145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 16:50:46.39 ID:a6cGektW0
―――――
その連絡が来たのはちょうど学校が終わる頃だった。

検査を終え、病室で休んでた憂。退院のために荷物の整理をしようとした時、憂の病状は急変したという。

私はその話を聞いたとき、どれだけ嘘であることを願っただろうか。どれだけ間違いであることを願っただろうか。どれだけこれが夢であることを願っただろうか。

しかしそんなことはありえないわけで、病院に着くまでの先生の車の中で、私はただ神様に祈るしかなかった。



181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:05:44.92 ID:a6cGektW0
―――――
私が憂の病室に入って見た憂は、

体に何本も点滴がうってあり、

苦しそうに呼吸をする姿だった。

近くには私も始めて見る心電図が置かれ、規則正しいピッ、ピッという音を放っている。

唯「憂!!!」

私は憂に駆け寄ろうとした。




183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:13:32.93 ID:a6cGektW0
しかしそれも親に止められてしまう。

唯「なんで!?どうして止めるの!?」

父「今お医者さんが治療しているんだ。邪魔になるだろ!」

唯「だって…だって憂がっ!!」

それでも行こうとする私の右手を、母が掴んだ。

母「唯!分かりなさい!!今行っても治療の邪魔でしょ!!」

唯「うっ…うっ…ふええぇん!うい~、うい~!」

私は、憂があんなに苦しそうにしているのに何にも出来ず、ただ涙を流すことしか出来ない自分が悔しくて悔しくて仕方がなかった。



184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:19:53.21 ID:a6cGektW0
―――――
医「治療が終わりました」

先生がそう言ったのは私が病院にきてから数十分後だった。それと同時に腕の拘束が解け、私は憂のもとへとゆっくり近づこうとした。

しかしまたもやそれは阻止されてしまう。

医「今は絶対安静です。それから…おそらく今夜が山でしょう…」

…え?

私は自分の耳を疑った。



186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:27:07.11 ID:a6cGektW0
私は自分の耳を疑った。

父「そ、そんな…」

今夜が山?

母「どうしてっ…!」

いったいどういうこと?

医「予想以上に娘さんには…重い負荷があったようです…」

だって昨日まで憂はあんなに元気だったじゃん?

父・母「-!---!!」

もう何を言っているのか分かんない…!

医「ーーーーー」

分かんない。わかんないよっ…!

唯「うわあああぁん!!!」




189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:39:35.38 ID:a6cGektW0
―――――
医「…落ち着きましたか?」

気付いたら私はソファーの上にいた。どうやらあの後気を失って倒れたらしい。

唯「…!う、憂は!憂は大丈夫なんですかっ…!?」

医「…残念ながら…明日の朝まではもたないでしょう…」

唯「っ!……」

…体中から血の気が引いていくのが分かる。



191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:45:53.46 ID:a6cGektW0
医「…本来は面会謝絶なんですが…、娘さんだけは、とご両親から言われています」

唯「…」

目の前が外の景色みたいに真っ暗になって、もう、何も考えられなくなっていた。

医「…」

そのまま先生に連れて行かれるように私は憂の病室へと入った。

唯「…うい?」

私の目の前には、顔から汗を噴き出し、苦痛の表情を浮かべた憂がいる。



195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/03(金) 23:56:27.24 ID:a6cGektW0
口には酸素吸入機が、両腕には何本もの点滴が、胸には心電図からのびたコードが…まるで憂が死ぬことを前提にしているかのように繋がっている。

私は、以前と同じように憂の近くのパイプ椅子に腰掛けた。

唯「…うい…」

私はそっと憂の手を握った。

憂「はあ…っは…っはっ…」

憂はとても苦しそうに目を瞑っている。ときどき手を強く握り返してくるのは不安からか、それとも痛みからか…。

私には知る由もなかった。今私の中にあるのは…絶望。ただそれだけだった。




199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 00:04:20.91 ID:a1GHnJWz0
いったいどれくらいの時間が過ぎたのだろう。十分かも知れないし、もしかしたら一時間かもしれない。

そんな時間を過ごしている私に、ひとつの声が届いた。

憂「…おねえ、ちゃん?」

私が今一番聞きたかった声

唯「…う、い?」

一番大好きな声

憂「おねえちゃん…」

憂が、小さく目を開けて私の名前を呼んでいた。




201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 00:09:14.62 ID:a1GHnJWz0
唯「う、うい…だ、大丈夫?」

大丈夫な訳がないのに、こんな質問しかできない私。もっと聞きたいことはあるのに…

憂「う…うん。…ごめんねお姉ちゃん?今日退院出来なくなっちゃった…」

あまりにも弱弱しい声。そして、さっきまでとは違い、力なく握られた手。そのどれもが、憂に残された時間が少ないことを暗示しているようだった。



203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 00:22:29.87 ID:a1GHnJWz0
唯「うい…!もう!心配したんだら!!」

涙目になっているであろう私。何で怒鳴ってるんだろ?

憂「ごめ…んね、お姉ちゃん。でもさ…わたし…最後にお姉ちゃんと会えて…良かった」

え?…

唯「う…うい?どうして最後なんて言うの?…退院してまた一緒に遊ぼうよ…?」

憂がどうしてそんなことを言うのか不安で、でも本当のことで…私は小さな返事しか出来なかった。



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 00:30:58.68 ID:a1GHnJWz0
憂「おねえちゃん、私…自分の体のことくらい自分で分かるよ…。それとね…」

唯「ういっ!やめて!言わないでよぅ…っ!」

憂の口からそんなこと聞きたくなかった。

憂「それとね…私お姉ちゃんに謝らなければいけないことがあるの…」

唯「え…?」

憂が私に謝ること?そんなことなんて何もないはず…。むしろ私が憂に謝るべきことはたくさんあるのに…



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 00:38:16.38 ID:a1GHnJWz0
憂「私ね…実は三週間くらい前に…余命一ヶ月って…言われていたの…」

唯「…そ、そんな…」

憂「でもお父さんやお母さん、それと病院の先生にもこのことは秘密にしていてくださいって頼んだ…」

唯「じゃあ…あのときの言葉は…」

憂「お姉ちゃんや他の人に…心配をかせたくなかった…。あとお姉ちゃんには…私なしきちんとした生活を送って欲しかった」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 00:51:13.42 ID:a1GHnJWz0
唯「うっ…、ういいっ…!」

涙が溢れてくる。

憂がまさかそんな状態だったなんて知らなくて…なのに私は憂を学校に早く戻ってねと声をかけたりしたこともあって……なんて言えば良いのか分からなかった。

憂「だから…ごめんね?今まで黙ってて…」

唯「ぐすっ…、ういぃ…私だって…謝ることいっぱいあるのに…うっ、うっ…」

そんな私の頭を憂は持ち上げるのもやっとなはずの腕でやさしく撫でてくれる。



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:00:14.05 ID:a1GHnJWz0
唯「ぐすっ…私も…憂に甘えてばっかで…自分のことも全部憂にやってもらって…なのに!なのに…!憂には何一つ恩返し出来なくて…」

憂「お姉ちゃん…私ね、おねえ…ちゃんの妹で本当に良かったと思っているよ?」

憂「おっちょこちょいでちょっとぐうたらだけど…やさしくて、他人思いで…たまにかっこいいお姉ちゃんが大好きだった…。これからも、ずっと…」



215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:09:06.40 ID:a1GHnJWz0
唯「…憂?…ねえ、そんなもう終わりみたいなこと言わないでよ…!」

なんだか憂の様子がおかしい。。さっきよりも呼吸は速くなってるし、心電図は不規則な音を立てている。

私はナースコールを押すと、慌てて憂の手を強く握った。

唯「憂?…あ、そうだ…。今日は憂にプレゼントがあるんだよ!」

私は片手で憂の手を握りながらもう片方の手で床に置いてあるかばんをとり、中からあのエプロンを取り出した。



220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:23:24.36 ID:a1GHnJWz0
唯「ほら!これね…、あの、憂が家に戻ったときにまた料理が出来るように私が作ったんだよ?」

唯「だからね、家に戻ったらさ、憂がこのエプロンを着て…私が憂に料理を教えてもらって…、一緒にお弁当なんかを作ったりして…」

唯「だから、憂!?死んじゃ駄目なんだよ!?ねえ!?憂ったらぁ!!」

その時、憂が再び目を開けた。さっきよりもさらに弱弱しく。

唯「憂!…すぐに先生が来るから…、すぐに…治るから…、そしたらまた二人で登校しようよっ…!二人でいっぱい遊ぼうよっ…!!」

その時、憂は口から血を吐いた。私はもうどうすればいいか分かんなくて、憂の手をぎゅっと握っていた。憂が一人じゃないと不安にならないために。




223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:34:49.20 ID:a1GHnJWz0
私は憂の顔を見る。

顔全体から出ている汗や、苦しそうな表情が私の顔を自分の涙でぐしゃぐしゃにしていた。

よく見てみると、憂も涙を流しているのが分かる。そして、その口は何か言葉を発せようとしていた。

唯「憂?なに?何か言いたいの?」

私は憂の口元に耳を近づけ、必死にその音、言葉を聞き逃さないようにした。

憂「…ねえちゃん。」

唯「何?憂?聞こえてるよっ?」

憂「あ…のね…、わたしね…、」

唯「うん、うん」

憂「おねえ…ちゃんの…妹で、……本当に……幸せっ…だった。」

憂「おね…え…ちゃん…、本当に…」




225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:39:48.85 ID:bjXHWNfiO
憂「ほん…と…に」

憂「大成功であります!」

唯「え?」

憂「ドッキリだよ~おねーちゃん」

唯「よかった…よかったよぉうっうっうわああああああん!」





こんな風になれ!




226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:40:58.06 ID:p0wVZMi50
>>225
なんだドッキリか・・・よかった



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:41:06.96 ID:v2tJBrJ40
いやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!!!!憂が助かったぜ!!!!

今日は、憂が助かった記念日だわっしょおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!



228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:43:12.57 ID:ns1Rfccc0
なーんだwどっきりかー!おじさん本気で騙されちゃったよwwwww



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:45:25.58 ID:a1GHnJWz0
ガラッという音と共に、たくさんの看護婦、医者が入ってくる。

そして、あわてて私と憂の間に割って入る医者。心電図を見て、青ざめる看護婦。私を急いで部屋の外に連れ出そうとする両親。

そのどれもが私にはやけにスローモーションのように思えた。

唯「いやあああああぁぁぁ!!うい、ういー!!」

ずっと握っていた手はゆっくりと引き離され、自分と憂との距離が離れてゆく。

いやだいやだと足掻こうとしても、その距離はひらくばかりだった。




235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:52:16.48 ID:a1GHnJWz0
私が病室から出そうになった時、憂がこっちを見た。

憂「―――。」

憂は間違いなく言葉を発した。声はもうでていなかったかもしれない。

憂は確かに、「ありがとう」

そう言っていた。満面の、私が大好きなあの笑顔と共に…

fin



239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:54:31.61 ID:E8xzW3HH0
(´;ω;`)



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:55:49.48 ID:ns1Rfccc0
……



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:59:50.15 ID:Pkmu88YAO
よし次は後日談として自立した唯を…



252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:08:27.51 ID:a1GHnJWz0
―――2年後―――

唯「やった…、おかあさーん、見つけた!、あったよ~!」

私はとある大学の合格発表会場にいた。

母「まあ!よく頑張ったわね…っ!」

唯「も~お母さんが泣いてどうするの~?」


…憂、見てる?私医学部に合格したんだ…。一浪しちゃったけど、昔の私からは想像つかないでしょ?

私ね、憂がいなくなってからしばらくは何もする気が起きなかった。でも部活の皆や、お父さんお母さん、あと病院の先生のおかげで立ち直ることができた。

…あのね、たまに寝坊もしちゃうけど毎朝は自分で起きてるし、ご飯だって自分で作れるようになった。休みの日にはお掃除や洗濯もしてるんだよ?




253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:10:16.77 ID:6W2J5oFV0
いがくぶ!キター
せめて、最後には幸せな記憶を―――



263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:21:54.64 ID:a1GHnJWz0
でもさ…憂がいないとやっぱり寂しいよ。もうちょっと思い出作っておけばよかったな…。

あ、ごめん…ちょっと涙でてきちゃったよ。この涙もろい性格だけは治んなかったな…。

そうそう、何で私が医学部目指したか分かる?最初は憂が大好きだった料理の道に行こうかと思ったんだよ?

でもね、やっぱり憂には敵わないと思った。だからさ、一人でも多くの人に安心と笑顔を届けられる医者を目指すことにしたんだ。

…ごめん、話が長くなっちゃったね。

最後にさ、あの時言えなかった言葉を言わせてよ。


唯「憂…ありがとう」


私は真上を見た。空には眩しいくらいの青空が永遠に続いていた。

           ~fin~




286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:46:30.97 ID:p0wVZMi50
( ;∀;)イイハナシダナー



267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:25:13.45 ID:p0wVZMi50
>>263
おい泣かせんなよ



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:26:22.41 ID:+8KkzjC00
もうけいおん普通に見れない……



243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 01:58:33.38 ID:ns1Rfccc0
BJに頼んでいれば……



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:10:44.42 ID:quWfsYjX0
BJ「その子は私が引き受けよう」

父・母「!?」

憂「(だ・・・・れ・・・?)」

医者「ブ、ブラックジャック!」

父「か、彼は何者なんです?」

医者「医者ですよ・・・無免許のね」

父「無免許!?」

医者「無免許ですが、腕は確かだと聞き及んでおります・・・」

母「しかし・・・」

BJ「何といおうと、その子は私が手術する
   すでに代金は頂いたんでね、やらないわけにはいかないのさ」

BJの手には唯が愛用するギター、ギー太が握られていた。

憂「(あれは・・・おねえ・・・ちゃん・・・の・・・)」




256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:13:59.61 ID:Dm1/GzB30
>>255
憂は!憂は助かるのか!!



259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:17:03.05 ID:SLkHpunj0
BJが当時5万円で買えたギターで…だと…?



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:19:38.09 ID:p0wVZMi50
>>259
金じゃないんだ
どれだけ大切にしてるかなんだ



261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:21:07.40 ID:6W2J5oFV0
BJはそういう気持ちを理解した上で手術してくれる



266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:24:49.36 ID:quWfsYjX0
数十分前

唯「BJ先生!憂を助けてください!」

BJ「君が平沢唯さんかね
   言っておくが、私の手術代は法外だぞ」

唯「これを・・・」スッ

BJ「これは・・・ギターじゃないか
   まさかこれで払うつもりじゃないだろうな」

唯「あと10年・・・10年だけ待ってください
  きっと、ううん、必ず世界一のミュージシャンになって
  ギー太をすっごく価値のあるものにしてみせます!」

BJ「フフ・・・なるほどな、大物ミュージシャン「平沢唯」が使っていたギターか
   そいつは価値がありそうだ
   だがね、もしも世界一になれなかったら、お前さんはどうするつもりだい」

唯「お金を借りてでも払います!だから憂を・・・憂を・・・」

BJ「いい覚悟だ」




276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:30:44.33 ID:quWfsYjX0
BJ「・・・というわけだ
   こんな高価なものを受け取った以上、私のメンツに関わるのでね
   わかったらその子を預けてもらおう」

母「唯・・・」

父「・・・わかりました、あなたに娘を託します」


BJ「そうそう、このギターのことなんですがね
   貰ったはいいが、どう安く見積もっても手術料より高く値がつきそうなんでね
   先にお釣を返しておきますよ」

父「えっ・・・さ、30万も・・・」

BJ「そいつで新しいギターを買っておやりなさい
   未来の大物ミュージシャンが、ギターがなくて練習できないんじゃ可哀相だ」
    


277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:32:13.31 ID:6W2J5oFV0
BJ・・・GJ



283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:43:17.08 ID:vHXAhvwoO
このBJになら掘られてもいい。



285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:45:34.28 ID:quWfsYjX0
数年後

BJ「ピノコッ!もう少し音量を下げろ!」

ピノコ「アッチョンブリケ」

BJ「まったく・・・ん?このバンドは・・・」

ピノコ「ちぇんちぇー、知ってるのよさ?」

BJ「ああ、今に世界に名を轟かせるバンドだ」

CDのジャケットには、見覚えのある顔がうつっていた
かつて私が救った女性の姉、平沢唯だ
放課後ティータイム・・・
そのおかしな名に価値がつく日を楽しみに待つとしよう





287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:49:02.13 ID:8j/a1QPY0
>>263>>285もGJ



288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:50:15.36 ID:quWfsYjX0
何気なく書き始めたら、BJ先生を扱うのが思ったより難しくて困った
BJという人間を表現できる手塚先生は流石

勝手にIF書いてすまんこ
ID:a1GHnJWz0乙でした



289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/04(土) 02:52:36.34 ID:6W2J5oFV0
放課後ティータイムは今に武道館を埋め尽くすぜ・・・

いいけいおんSSだった激しく乙




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リクエストです。クリさんありがとうございました。
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この記事へのコメント
ええ泣きましたけど何か
2009/07/07(火) 02:16:26 | No.2663 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
なんだドッキリか
2009/07/07(火) 02:49:20 | No.2664 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
救済の為にBJまで持ち出してくるなんて
流石だな
2009/07/07(火) 03:33:28 | No.2665 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
裏不無で助かると思ったのに・・・
2009/07/07(火) 17:47:58 | No.2666 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
※2に騙された
2009/07/07(火) 18:16:02 | No.2667 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
リズムってあれかwww
2009/07/21(火) 01:54:59 | No.2699 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
おっおーんですよほんとうに
2009/07/24(金) 10:40:23 | No.2713 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
GJとしか言いようがないなwwwww
BJ先生ありがとうwwwwwwwwww
2009/12/09(水) 18:17:40 | No.4051 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
スレタイからDQN丸出しのキチガイSSを想像した俺を殴ってください
2009/12/13(日) 16:55:35 | No.4065 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
マジ泣きしました。
憂ちゃんcomeback

2010/05/04(火) 23:24:02 | No.5108 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
泣いたよ…
2010/09/07(火) 20:46:54 | No.7516 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2010/11/02(火) 02:48:05 | No.7824 | | #[ 編集]
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