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少女「・・・・・・嘘つき」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:35:48.55 ID:HzCJ2H+N0
少女「・・・あなたは誰?」

悪魔「・・・悪魔だ」

少女「本当?悪魔って本当に居るの?」

悪魔「私が居るだろう」

少女「すごいわ!悪魔と出会えるなんて夢見たい!」

悪魔「・・・この禍々しい姿を見て、逃げ出さない奴はお前が初めてだ」

少女「あら、ごめんなさいね。私、目が見えないのよ」

悪魔「・・・・・・・・・」




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ブログパーツ 少女「・・・・・・嘘つき」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:36:21.02 ID:HzCJ2H+N0
少女「ねぇ悪魔さん。悪魔さんは、ここで何してるの?」

悪魔「・・・少し休んでいただけだ。すぐに出て行くから安心しろ」

少女「そんな・・・、ゆっくりしていけば良いのに」

悪魔「悪魔にゆっくりしていけだなんて、変わった奴だな」

少女「見えないのなら、誰が相手だって関係ないわ」

悪魔「なるほど」




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:36:52.28 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「この大きい庭は、貴様のものなのか?」

少女「そうよ。正確には、私のお父様のものだけれど」

悪魔「立派なものだ。とても広い」

少女「そんなに広いかしら」

悪魔「ああ、広い。そして綺麗だ」

少女「悪魔も綺麗だなんて言うのね、変だわ」

悪魔「貴様だけには言われたくない」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:37:30.10 ID:HzCJ2H+N0
少女「悪魔さ~ん、居る?」

悪魔「・・・居る」

少女「良かった~。いなくなっていたらどうしようかと思った」

悪魔「どうして?」

少女「寂しいじゃない」

悪魔「私が居なくなると、寂しいのか?」

少女「寂しいわよ。悪魔と出会うなんて、滅多に無いことなんだから」

悪魔「・・・・・・・・・」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:38:08.14 ID:HzCJ2H+N0
少女「それに、はい、クッキー」

悪魔「なんだソレは」

少女「お菓子よ。おやつを少しだけ取っておいたの。悪魔さんと食べようと思って」

悪魔「ほう」

少女「あなたと一緒に、クッキーが食べたかったのよ」

悪魔「・・・・・・・・・」




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:38:42.32 ID:HzCJ2H+N0
少女「さぁ、召し上がれ。お口に合うかしら?」

悪魔「・・・甘ったるい」

少女「そう?じゃあ今度は甘さを控えてもらうわ」

悪魔「・・・貴様は本当に変わった奴だ」

少女「クッキーを食べる悪魔ほどじゃないわよ」




11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:40:12.15 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「・・・いつから」

少女「え?」

悪魔「いつから、目が見えないんだ」

少女「・・・・・・・・・」

悪魔「いや、なんだ、その・・・」

悪魔「言いたくないなら、いいんだ、悪かった」

少女「・・・ぷ」




12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:40:47.72 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「なにがおかしい」

少女「悪魔のクセに、うろたえすぎよ」

悪魔「・・・・・・・・・」

少女「唐突なことを聞くから、びっくりしただけよ」

悪魔「・・・もう勝手にするが良い」

少女「あ、拗ねた。悪魔のくせに」

悪魔「うるさい」




14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:41:42.96 ID:HzCJ2H+N0
少女「よく覚えていないんだけれど・・・」

悪魔「ふむ」

少女「物心ついたときには、もう見えていなかったわ」

悪魔「・・・・・・・・・」

少女「昔は見えていたらしいわ。でも、覚えてないし・・・」

少女「なんの病気かも、私は分からないの」

悪魔「ほう」




16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:42:14.16 ID:HzCJ2H+N0
少女「まぁ、不自由はしていないけどね」

悪魔「そうだろうな。私とこうして話せるのも、目が見えないお陰だ」

少女「あら、そんなこと無いわよ」

悪魔「きっとそうだ」

少女「まだ拗ねてるの?」




17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:42:46.37 ID:HzCJ2H+N0
少女「あ~く~ま~さん」

悪魔「・・・なんだ、また来たのか」

少女「なによ、ここは仮にも、私の家よ」

悪魔「そうだった、そろそろお暇するとしよう」

少女「待って待って、私のティータイムを奪う気?」

悪魔「正確には、そのあまりものだけどな」

少女「酷いわ、私は楽しみにしてるのに・・・」




18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:43:18.34 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「・・・・・・・・・」

少女「・・・・・・・・・」

悪魔「・・・今日は」

少女「え?」

悪魔「今日の菓子はなんだ」

少女「・・・今日はスコーンよ。甘さ控えめ」

悪魔「・・・これでも甘ったるいぞ」

少女「そういうものなのよ、頑固ね」

悪魔「悪魔は頑固なのだ」

少女「可愛らしい頑固だわ」

悪魔「・・・・・・・・・」




19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:43:55.19 ID:HzCJ2H+N0
少女「ねぇ」

悪魔「何だ」

少女「悪魔って、飛べるの?」

悪魔「飛べるぞ、羽がついている」

少女「羽がついてるの?すごいわね!」

悪魔「・・・想像しているよりも、ずっと醜い羽だけどな」

少女「あら、飛べるなら同じよ。すごいわ」

悪魔「・・・・・・・・・」




24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:44:52.04 ID:HzCJ2H+N0
少女「悪魔って、結婚するの?」

悪魔「ケッコン?ケッコンとは、なんだ」

少女「知らないの?じゃあ、しないのね」

悪魔「質問に答えろ」

少女「そうねぇ・・・、男女が同じ姓を名乗ることかしら」

悪魔「なに?そんなことなのか」

少女「他にも色々あるけどね。まぁ、そんなものよ」




25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:45:35.02 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「なるほど・・・、貴様は、それがしたいのか」

少女「女の子の夢ですもの」

悪魔「私がしてやろうか」




27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:46:12.88 ID:HzCJ2H+N0
少女「・・・本当?」

悪魔「・・・あ、ああ」

少女「うれしいわ!ありがとう」

悪魔「そうか」

少女「でももう少し待ってね、私、まだ結婚できないのよ」

悪魔「ほう・・・。分かった、待ってる」

少女「ふふ」




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:46:43.58 ID:HzCJ2H+N0
少女「じゃあ、悪魔さん、また明日ね」

悪魔「ああ・・・」

悪魔「・・・・・・・・・」



悪魔(なぜ、あいつはあそこまで私に構う?)




29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:47:15.85 ID:HzCJ2H+N0
悪魔(私は悪魔だ。恐怖の化身、災いの象徴・・・)

悪魔(あいつの目が、見えないからか?)

悪魔(私のこの醜い肢体が分からないからか・・・?)

悪魔(・・・・・・・・・)

悪魔(・・・もしも目が見えたら、あいつも)

悪魔(あいつも私に、石を投げつけるのだろうか)

悪魔(あいつの顔も、恐怖に歪むのだろうか・・・)

悪魔(・・・・・・・・・)

悪魔(それは、嫌だな)


悪魔(なんとなく、嫌だ)




30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:48:05.94 ID:HzCJ2H+N0
少女「・・・・・・・・・」

悪魔「・・・どうした」

少女「今度ね、手術をすることになったの。目の」

悪魔「!」

少女「絶対治るって、お医者様は言うけど・・・。不安ね」

悪魔「・・・・・・・・・」




31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:48:38.82 ID:HzCJ2H+N0

悪魔(私の姿を見たら、貴様は・・・)

悪魔(目が見えないほうが、いいじゃないか)

悪魔(しかし・・・)

悪魔(・・・・・・・・・)




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:49:29.18 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「・・・・・・・・・」

少女「悪魔さん・・・?」

悪魔「貴様は・・・」

少女「へ?」



悪魔「貴様は、・・・空を、見たことはあるか」




34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:50:15.45 ID:HzCJ2H+N0
少女「空?・・・覚えてないわ」

少女「目が見えていたかどうかも、覚えていないのよ」

悪魔「なら、花は」

少女「・・・覚えていない。見えないのよ」

悪魔「なら、見たほうが良い」




35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:51:09.34 ID:HzCJ2H+N0
少女「?」

悪魔「見たほうが良い。綺麗なんだ」

少女「・・・・・・・・・」

悪魔「綺麗なものは、見えたほうがいい」

少女「・・・・・・・・・」

悪魔「大丈夫だ。きっと、見えるようになる」

少女「・・・なら」



少女「なら、私はあなたと一緒に見たい」




38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:52:00.92 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「・・・は?」

少女「ねぇ、良いでしょう?私、あなたの顔も知らないのよ」

少女「あなたの顔を見て、体を見て、羽を見て」

少女「ありのままのあなたを見て、あなたと一緒に空を見たいわ」

悪魔「私は・・・」

少女「醜いの?でも見たいの。あなたはお友達なんだから」


少女「お友達と一緒に見る空は、きっともっと美しいはずだわ」




40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:52:50.60 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「・・・・・・・・・」

少女「ねぇ、約束して」

少女「私の目が見えるようになっても、そばに居て」

悪魔「・・・・・・・・・」

少女「・・・もう行くわ。約束、覚えておいてね」


悪魔「・・・・・・・・・」




41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:53:38.16 ID:HzCJ2H+N0
悪魔(・・・まったく、適わないな)


悪魔(とても、とても強い娘だ)

悪魔(あいつならきっと、私の姿を見ても・・・)

悪魔(・・・・・・・・・)



男「・・・なぁ」

悪魔(?・・・誰だ、こんな時間に・・・)

悪魔(屋敷の・・・外?)




43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:54:20.32 ID:HzCJ2H+N0
男「一体どういうことだ!あの娘の目が見えるようになったら!」

女「ごめんなさい」


悪魔(確か、屋敷の庭師と、召使、だったか?)

悪魔(そして『娘』とは・・・)


男「まったく、君がちんたらしているから!」

女「だって、こんな早く手術が決まるだなんて・・・」

男「これからは、金をスムーズに流せなくなるじゃないか!」




44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:55:01.00 ID:HzCJ2H+N0
男「今までは、あの小娘の目を盗む必要も無かったが・・・」

女「見えないものね」

男「そうだ。でも、手術が成功してしまったら!」

女「だったら、良い案があるんだけど」

男「案?」

女「そう。要は、手術を成功できなくすれば良いのよ」

男「なるほど。でも、どうやって?」

女「簡単なことよ。ちょっと機械をいじってしまえばこっちのもの」

女「私に任せて頂戴」

男「流石、君はそういうことは得意だな―――」


悪魔(・・・・・・・・・)




47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:56:18.39 ID:HzCJ2H+N0
悪魔(・・・手術が、成功しなくなる?)

悪魔(あいつの目が、見えるようにはならないのか?)

悪魔(そうすれば・・・)

悪魔(私の姿を見られないで、済むかもしれない・・・)

悪魔(金のことは、どうでもいい)

悪魔(ただ、あいつの目が、見えなければそれで・・・)




48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:56:18.40 ID:Jw3Hnehq0
ハッピーエンドだといいな



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:57:27.91 ID:HzCJ2H+N0

―――なら、私はあなたと一緒に見たい

悪魔「私は、悪魔だ」

―――ねぇ、良いでしょう?私、あなたの顔も知らないのよ。

悪魔「災いの、象徴だ」

―――あなたと一緒に空を見たいわ。

悪魔「悪魔なんだ、私欲だけで考えるべきじゃないか」

―――ねぇ、約束して。

悪魔「私は悪魔だ、私は悪魔だ、私は・・・」

―――悪魔も綺麗だなんて言うのね。

悪魔「私は・・・」

―――変だわ。




50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:58:02.76 ID:HzCJ2H+N0



悪魔「・・・・・・・・・」


悪魔「そうだ。私は、変な悪魔、だ」




51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:59:01.04 ID:HzCJ2H+N0
少女「・・・・・・・・・」

悪魔「どうした」

少女「庭師さんと、メイドさんの一人がいなくなったらしいんだけど・・・」

悪魔「心配か?」

少女「あたりまえよ」

悪魔「そうか・・・」

少女「?」

悪魔「それより、手術は?」

少女「明日よ。約束守ってよね」




52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 00:59:44.32 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「そのことなんだが・・・」

少女「なに?」

悪魔「しばらく私は、声が出せなくなる」

少女「え?どうして?」

悪魔「悪魔だからだ」

少女「そう・・・、寂しいわね」

悪魔「だが、約束は守る」




53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:00:30.14 ID:HzCJ2H+N0
少女「本当?」

悪魔「ああ。私は話せなくなる。貴様は目が見えるようになる」

悪魔「対した問題は、無い」

少女「良かった・・・」

悪魔「私はこの場所にいる。目が見えるようになったら、来い」

少女「・・・分かったわ」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:01:33.61 ID:HzCJ2H+N0
少女「じゃあ今度は、見えるようになって、会いましょう」

悪魔「ああ、がんばれよ」

少女「悪魔に励まされるなんて、百人力ね」

悪魔「そうだといいな」

少女「・・・悪魔さん」

悪魔「なんだ」


少女「好きよ」

悪魔「私もだ」


少女「ほんと、変な悪魔ね」

悪魔「お前も、変な人間だ」




56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:03:47.12 ID:HzCJ2H+N0
少女「ふふ、じゃあね」

悪魔「ああ」


悪魔(・・・・・・・・・)

悪魔「糧にするため以外に、むやみに人間を殺すことは、最大の禁忌」

悪魔「その禁忌を犯した者には、死・・・」

悪魔「最後に会えてよかった」

悪魔「約束・・・守れなさそうだな・・・」




57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:04:36.27 ID:HzCJ2H+N0
悪魔「・・・・・・・・・」

悪魔「ああ・・・こんなに、誰かに見て欲しいと思ったことは、初めてだ」

悪魔「これも、お前の影響か」

悪魔「すごく安らかだ・・・」

悪魔(・・・・・・・・・)




悪魔(ケッコン・・・したかった・・・な・・・お前と―――)




59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:05:53.88 ID:HzCJ2H+N0

少女(―――あれから一ヶ月・・・)

少女(ようやく、彼に会える)

少女(手術が怖くなくなったのも、今日までのリハビリに耐えられたのも)

少女(全部、あなたのお陰よ)

少女(今日やっと、会えるわ)

少女(あなたがいたから、寂しくなかった)

少女(あなたがいたから、勇気が湧いた)

少女(私の大切なお友達・・・!)

少女(そして・・・)

少女「私の・・・大切なひと・・・っ!」




62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:06:33.83 ID:HzCJ2H+N0
少女「はぁ、はぁ・・・」

少女「遅くなってごめんなさい」

少女「悪魔・・・さ・・・」



少女「・・・・・・・・・」




少女「・・・・・・嘘つき」




63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:07:07.33 ID:HzCJ2H+N0
少女「あなたが・・・悪魔?」

少女「嘘よ、だって・・・」

少女「全然醜くなんて、無いじゃない」

少女「これが、羽のつもり?こんなもので、飛べるはず、無いじゃない」

少女「あなたがこんな・・・小さいはず・・・無いじゃない・・・」




65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:08:08.87 ID:HzCJ2H+N0
―――悪魔がいた場所には、一輪の花が咲いていた。
    少しだけ不恰好に曲がった葉を除けば、とても、可愛らしい花だった。
    少女は花に歩み寄る。

その、口の利けない、小さい小さい花には、微かに、温もりがあった。

少女「あなたは嘘つきよ」

少女「こんなに可愛らしい姿を自分で、醜いだなんて」

少女「こんな姿で、クッキーなんて、食べられるはず無いじゃない・・・」




66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:09:03.10 ID:HzCJ2H+N0
少女「・・・・・・・・・」

少女「・・・でも、約束は、守ってくれた」

少女「ここに居てくれたわね」

少女「私と、空を見てくれたわね」


少女「ありがとう―――」



―――鮮やかな赤い花弁に、水滴が落ちる。
     少女の目が、光を取り戻してから、初めての涙だった。




69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:10:11.86 ID:HzCJ2H+N0

その後、たった一輪だけだったこの花は、彼女の世話の甲斐があってか

少女が大人になるころには、屋敷の庭全体に咲き誇った。

まだ名も無い花を眺めて、その美しさに人々は目を奪われた。

やがて、とある有名な学者の一人が、この花を正式に新種として発表することを決定した。

その旨を伝えると、彼女は、やや挑戦的な口調でこう言い放った。



女「この花は、私が見つけて、育てたのよ」

学者「はぁ・・・」




70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 01:11:14.09 ID:HzCJ2H+N0

女「新種の花や木は、見つけた人間の名をつけられるそうね」

学者「もちろんですとも、あなたのお名前をお付けしましょう」

女「いや、名前じゃ駄目ね」

学者「?」

女「そうねぇ・・・、私の姓を花に授けてくださらない?」

学者「構いませんが・・・、なぜ、名では無いのですか?」

女「ふふ」



女「花と結婚するのも、悪くないと思わない?」







148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/04(土) 12:35:12.90 ID:LmjgC+fC0
いいな、こういう話。




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この記事へのコメント
ナナリーで補完した!
2008/10/05(日) 17:17:13 | No.1167 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
キュンとした
2008/10/05(日) 18:21:31 | No.1168 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
大学つまんねぇの記事の後に見たのにしんみりした
2008/10/05(日) 19:49:06 | No.1169 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
これむぅむぅの人っぽいな
2008/10/06(月) 01:54:45 | No.1170 | 戯言ヴぃp | #pYrWfDco[ 編集]
何かあたたかくなったよ
2008/10/06(月) 18:20:28 | No.1171 | 戯言ヴぃp | #-[ 編集]
最後いい
まぁ、全部いい
2008/10/06(月) 22:27:42 | No.1173 | 名無しさん | #-[ 編集]
ごちそうさまでした。
2008/10/11(土) 04:01:12 | No.1183 | マロ | #-[ 編集]
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